二章 THE RESOLUTION

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ゲートを超えた先に待っていたものは、特撮モノでよく見る採石場。



………あぁ、そうか。


ここは鎧武の映画でマルス……コウガネとの最終決戦を繰り広げた場所か。


たしかアーマードライダーたちがサッカーしながら倒したんだっけ。



本当ならあと10人いるのだけど生憎俺ひとり。



そして、目の前には………




「また貴様かぁぁぁ………!」


…………やっぱりいたよ。

黒と金のド派手な衣装に身を包んだ某歌舞伎役者にソックリな男……コウガネが。


ご丁寧に腰には果物ナイフか包丁みたいなパーツがついたベルトまで巻いてやがる。


そして、背後には巨大な木と、奴に拐われたであろう子供たちが閉じ込められた繭がまるでブドウの房のようにぶら下がっている。



「カンジャキ…………せんせー…………」


「タケルっ……!」


───ビンゴ。


繭に閉じ込められた子供の中に、タケルの姿も見つけた。



「貴様のお陰で肉体を失ったが、この餓鬼共の恐怖心のお陰で完全なる力を手に入れることができたよォォ……!

これで私は完全なる存在に………!

ンヌハハハハハハハハハハハハハ!!」


「何度も言わせんな………!てめぇはただの金メッキだろうが」


こんなに幼い子供たちを拐い、恐怖心を煽り、それを糧として自らの養分とする。

映画では蝗を取りつかせたアーマードライダーたちの闘争心を増大させ、アーマードライダーたちを争わせ、アーマードライダーを吸収し、自分の養分にしてたんだっけ。



───俺が知っている“映画のコウガネ”とはテイストが異なるがやってることは同等……いや、もはやゲス以下だ。



「自分より弱い小さな子供を拐っておいて、神様にでもなったつもりか……?

どれだけしょーもないんだよお前。

だからお前は金メッキから抜け出せないんだろうが……!」


「黙れェェ!私は完全に力を取り戻し!真の黄金の果実となった!!

貴様ごときに止めることなど出来んよ!!」


その瞬間、奴の体にテレビのノイズのようなものが走り奴の両隣にライダーが1体ずつ現れる。


どちらもアーマードライダー。


1体は洋風の甲冑に身を包んだライダー。
レモンのような炭酸の気泡がはいった鮮やかな黄色の鎧に青いボディが特徴の『デューク・レモンエナジーアームズ』。


もう1体は薄緑のバイキングのような毛皮を着けた北欧風の鎧に身を包むライダー、『シグルド・チェリーエナジーアームズ』。
その鎧はさくらんぼをモチーフにした赤い鎧であり、さくらんぼというかわいらしいモチーフとは裏腹に力強さを感じさせる姿をしている。


どちらも映画で最終決戦の際にいなかった奴らだ。




「………しかたねぇ……!」


黄金の果実とはいえ、コウガネにここまでの力あったか……?


子供たちを拐って繭に閉じ込めて養分にしていることといい、少し“違和感”を感じずにはいられない。


俺は腰に装着されたガンバドライバーに手をやり、静かにICカードを構えた。
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