一章 THE BIGINNING

「お兄ちゃんのバカ! もう知らない!!」


プンスカしながら真由は部屋を出て行く。


怒った顔も可愛いぞ、我が妹よ。



「いたたたた……」 


先ほどハリセンでシバかれた頭をさすりながら、時計を見る。


時刻は午前7時50分。







……仕事が始まるのは8時。











…………………………あっ。







「やっ……べぇぇぇぇぇぇぇ!!!」



真由とショートコントなんてしてる場合じゃなかった!



このままじゃ確実に遅刻じゃねぇか!!



俺は口に菓子パンをねじ込むと急いで家を飛び出すのだった。
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