二章 THE RESOLUTION

「ぷっ……くくく………」

「笑うなよ!本当に熱いんだよコレ!?」

「わかったわかった。ほら、あーんしろあーん……」

「………」


ここでようやく素直に口を開けてくれた。

俺は熱々の大根を彼女に差し出す。


「熱っ……」

彼女は大根を少しだけかじり、咀嚼すると熱いのか口元を押さえる。


「………でもおいしい」

「だろ?いっぱいあるからゆっくり食べな?」

「うん……」

寒い上に腹でも減っていたのか遥はー夢中で大根にかじりつく。

こうして見ていると本当に可愛らしい。

なんというか夢中でおでんを頬張る姿が子供みたいで、俺は微笑むと彼女の頭を撫でた。


「……なぁ」

やっぱり俺は子供が好きだ。

戦う気はないといったが、こんな子供が1人で戦ってるのは子供を見守る者として放ってはおけない。

でも……


「……いや、なんでもない」


やっぱり心のどこかで踏ん切りがつかない自分がいる。


理由はもうわかっている。


自信がないんだ、俺は。


さっきの戦いで自分を守ることで精一杯だった俺に、真由や知世子さん、保育園のみんなを護りぬくことが出来るのかなんて分からない。


もし護れなかったら俺はまた大切なものを無くしてしまう。


そう思うだけで……とても恐ろしくなるんだ。
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