一章 THE BIGINNING

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バイクを走らせること約10分。通い慣れた何時ものゲーセンに到着する。


ここのゲーセンには昔懐かしのゲームから最新のゲームまでなんでも揃ってる。


ここが俺のホームグラウンドってわけ。


「……さてと、ひと仕事しますか」

ガンバライジングの台を見つけ、某戦うドクターの仮面ライダーの如く、ピンと100円玉を弾き、それをキャッチしたあとに100円玉を筐体に投入。ゲームを起動する。


『ゲームをするときは画面に近づき過ぎないように気を付けよう!』


毎度お馴染みの台詞の後にICカードをおくように指示される。

無論指示に従いICカードを置く。

するとICカードがスキャンされ、セレクト画面へ。

ここで選ぶのは『ひとりで遊ぶモード』、そして『仮面ライダーバトル』だ。


「今日は疲れたからな……全国対戦はまたの機会にっと……」

オンラインで全国の猛者と戦える『ライダー全国対戦』モードなるものもあるけど、今日は残業で疲れたしそんな余裕はない。





だからふつうにCPUと戦うモードを選んだ訳だが………何かがおかしい。









「……ん?仮面ライダー邪武にイナゴ怪人?こんな奴らいたっけ……?」


仮面ライダー邪武とイナゴ怪人とは『仮面ライダー鎧武』の最終回に登場した悪の仮面ライダーと怪人だ。


沢山の仮面ライダーが登場するもののイナゴ怪人はもちろん邪武は、今現在の最新弾ですら参戦はしていない……はず。








「な、なんで……うわっ!」

驚愕しているところに追い打ちをかけるようにザザザ……というノイズ音とともに何かに引っ張られる感覚に襲われる!




「なんなんだよこれ………!」

影になってよく見えないが、何か黒い腕のようなものがゲームの画面から出てきてそれが俺の体を掴んで離さないのだ。



このままじゃ引きずり込まれる……!






「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」

必死に抗うも、ついに耐えきれず。

俺はゲームの画面の中へと引きずり込まれた。
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