一章 THE BIGINNING

「さ、俊にゃんも早く食べないと。もう時間ないよ!」


「!!…そうだった!先輩たちは!?」


「はい~。もう食べちゃいましたぁ~」


「アタシも~」


「早っ!?…ちくしょーめっ」



……何もかもが大嫌いで仕方なかったこの街の中で見つけた俺の居場所……。


大好きな子供たちの側にいる事が出来る、大好きなこの場所。


この場所も、ここにいる子供たちも、先輩たちも、そして恩人である知世子さんも……。



ずっとずっと大切にしていきたい。


ずっとずっと護ってやりたい。



照れくさくてこんな柄でもない事言えないけど……


何も出来ない非力な小僧の俺だけど……




この気持ちだけは嘘じゃない。




それだけは絶対に揺らぐ事はないって、自信を持って言えるんだ……。
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