……想像してみよう。


もし『女子校に三年間通うことになった』としたら。


スマホの前のキミは素直に喜べるだろうか？


それも一日でなく三年間。


……どうだ、憂鬱な気分にならないか？


まわりは女性だらけで男性は自分ひとり。


つまり『仲間がいない』という不安があったんだ。


もちろんその予想は的中した。


最初の頃は先輩たち２人も男の俺が同じ職場に立つとは思ってなかったのだろう､なんだかやりにくそうな感じがしたのを覚えている。


それに共通の話題もなく､仕事上の悩みも気軽に相談出来なかった……｡



｢……ん？どしたの俊にゃん？急に黙ったりして｣


｢あ､いや……なんでもないデス｣



……でも､ようやくこの職場にも慣れてきたような気がする｡


ようやく先輩たちとの付き合い方が理解出来るようなったというか､知世子さんが間を取り持ってくれたというか……。


とにかく､社会人になりたての右も左も解らない小僧である俺は、今日もこうしてこの場所にいる事が出来るのだ｡