一章 THE BIGINNING
「いや、アンタさっきからブツブツ独り言みたいに言ってたじゃん」
「え……マジッスか?
山吹先輩も聞こえてました?」
「はい~。全部聞こえてましたぁ~」
……イカン、こりゃ迂闊だったな。
「とりあえず、アンタがそう思ってる事は解った」
「だから誤解ですって……」
「酷いわ俊にゃん!柊ちゃんの事そんな風に思ってたなんて!
私、ショックです。
…なんちゃって」
「ババ……知世子さんはちょっと黙ってようか☆」
……と、まぁ職場の雰囲気はいつもこんな感じ。
自分で選んだ道とはいえ、この保育園で働き始めた頃は毎日が不安で仕方なかった。
友人たちからは『女の先生に囲まれて羨ましい』とか『美人のおかあさんとかに出会うだろ?』などとよく言われるが、当時の俺にしてみれば、その環境こそが大きな悩みの一つだったのだ。
「え……マジッスか?
山吹先輩も聞こえてました?」
「はい~。全部聞こえてましたぁ~」
……イカン、こりゃ迂闊だったな。
「とりあえず、アンタがそう思ってる事は解った」
「だから誤解ですって……」
「酷いわ俊にゃん!柊ちゃんの事そんな風に思ってたなんて!
私、ショックです。
…なんちゃって」
「ババ……知世子さんはちょっと黙ってようか☆」
……と、まぁ職場の雰囲気はいつもこんな感じ。
自分で選んだ道とはいえ、この保育園で働き始めた頃は毎日が不安で仕方なかった。
友人たちからは『女の先生に囲まれて羨ましい』とか『美人のおかあさんとかに出会うだろ?』などとよく言われるが、当時の俺にしてみれば、その環境こそが大きな悩みの一つだったのだ。