眩い光は無数の子蜘蛛を焼き払い、俺を漆黒の濁流から脱出させた。



『……ナ、ナニ！？』


俺を倒したか確認するつもりだったのか、彼女がこちらにやってきた。


だが突如として発生した眩い光に、彼女は思わず両手で視界を遮る。



「これは……！」


眩い光の正体、それはいつしかのコウモリ男と戦った後に拾ったあの宝石……ヴァイトップが放ったものだった。


俺は光を放つヴァイトップを握りしめる。

するとヴァイトップは鎧武者とカブトムシが描かれたルービックキューブのような形状の機械に変化する。

それは少し前にカマラーダから託されたあのアイテムに酷似していた。


たしか、『アームロイドコア』とか言ったっけ。




「……これって……！」


もしかして、これも………。

俺はアームロイドコアの絵柄をカブトムシに揃えた。




《YOROI-KABUTO！IN TO BE ACTION！》


すると、病院の壁を突き破り、大鎧のような装飾が施されたカブトムシ型のロボットがやって来た。




「今度はロボット！？」


やって来たカブトムシ型ロボットを見て、思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。


そりゃそうだ。

やはりあの短時間ではSF映画ばりのメカに慣れることなど出来やしない。


しかしカブトムシメカはそんな俺の事など気にも留めずに、クイーンスパイダーアンゲロスに突進。



そして……




『キャアァァァァァァァァァ！』


クイーンスパイダーアンゲロスを病院の外へと追放した。