Phase.5 再会─眠れ、愛しの姫君よ─
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2月14日、午前9時39分。姫矢市総合病院。
あれから2日が経過し、今日は秋くんの退院の日。
俺たち2人は暗い気分を引きずったまま、ずっと楽しみにしていたこの日を迎えることになってしまった。
あれからまともに口もきいていない。
「皆さんおまんたせいたしましたっ!!
緑川 秋ィイ!ルィタァァァァン……!!
……って2人ともどうしたよそんな暗い顔して」
事情を知らない秋くんは能天気に俺たちに話しかける。
「……あっ、ううん。大丈夫!
アキくん退院おめでとう!何か欲しいものとかある?」
俺は暗い顔を指摘され慌てて笑顔を作り話題を切り替える。
………しかしそれがかえってよくない方向へと向かう事となった。
「チョコが欲しい」
「は?チョコ?なんでまた……」
「今日はバレンタインだろ?
だからよ……チョコくれ」
そう言って秋くんは何故かあかりんではなく俺の前に両手を差し出す。
しかも何故か頬を赤らめている。
…………いや、なんで?
「……なんで俺?チョコならあかりんに…」
「お前からがいいんだよ!」
「だからなんで!?」
2月14日、午前9時39分。姫矢市総合病院。
あれから2日が経過し、今日は秋くんの退院の日。
俺たち2人は暗い気分を引きずったまま、ずっと楽しみにしていたこの日を迎えることになってしまった。
あれからまともに口もきいていない。
「皆さんおまんたせいたしましたっ!!
緑川 秋ィイ!ルィタァァァァン……!!
……って2人ともどうしたよそんな暗い顔して」
事情を知らない秋くんは能天気に俺たちに話しかける。
「……あっ、ううん。大丈夫!
アキくん退院おめでとう!何か欲しいものとかある?」
俺は暗い顔を指摘され慌てて笑顔を作り話題を切り替える。
………しかしそれがかえってよくない方向へと向かう事となった。
「チョコが欲しい」
「は?チョコ?なんでまた……」
「今日はバレンタインだろ?
だからよ……チョコくれ」
そう言って秋くんは何故かあかりんではなく俺の前に両手を差し出す。
しかも何故か頬を赤らめている。
…………いや、なんで?
「……なんで俺?チョコならあかりんに…」
「お前からがいいんだよ!」
「だからなんで!?」