Phase.5 再会─眠れ、愛しの姫君よ─

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「………う、嘘だ……何で姫華さんが……!」


怪物の正体は初恋の女性(ひと)……真中 姫華さんだった。

俺はただただ動揺し、後ずさる。



こんなの、受け入れられる訳がない。




「ごめんね。松本君……」

涙が頬を伝い、彼女の胸を濡らす。

迷いを振り払おうとしているのか、再びあの宝石を胸におし当て、怪物に変身する。


怪物に変身した彼女は俺に飛びかかる。




「……っ!」


ベルトを装着しているとはいえ、変身解除してしまえば俺はただの一般人だ。

別に特別な訓練を受けている訳でも、卓越した戦闘センスを持っている訳でもない。


咄嗟の攻撃に回避する術を持たず、その場で身を屈めることしか出来なかった。



流石に攻撃を貰うことは覚悟した。


でも………。



「全く世話がやけるなもう!」


聞き覚えのある幼い声と雷鳴のようなエキゾーストノート。

その声に顔をあげてみればあの喋るバイク……カマラーダがこちらに向かって走ってくる。


フロントカウルに設けられた銃口からエネルギー弾が放たれる。

エネルギー弾はクイーンスパイダーアンゲロスを捉その爪を腕ごと弾き飛ばした。


彼女は腕を押さえ悶絶する。



「か、カマラーダ!」


「ここは分が悪い。一旦退くよ!」


カマラーダは俺の前にとまると、乗れと言わんがばかりにヘッドライトを点滅させる。


俺はうなづくとバイクに乗り、あかりんの前へ走る。



そして……



「あかりん、乗って!」


「えっ、う、うん!」


あかりんの腕を掴み彼女を乗せると、一時撤退するのであった。
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