Phase.4 再会─出会いと別れと─
────??? SIDE───
「………いるんでしょ?」
誰もいない美術館の地下フロアに私、真中 姫華はやって来た。
その表情は先ほど偶然出会った彼………松本 道紀に見せた作り笑いはもうない。
「覚悟はできたようだな」
そんな私の眼前に現れるのは極彩色の異形……トゥリトスとか言ったっけ。
トゥリトスはその手に握られていたベーゴマのような形の宝石を差し出してくる。
差し出された宝石は薄暗い地下室においてもなお美しい光を放つ。
「受け取るといい。これはお前の“ヴァイトップ”だ」
宝石の名は“ヴァイトップ”。
それは使用者に望むものを与えてくれる『神の福音』。
だが、その対価は『人間としての自分自身』だ。
初めてこの男と出会ったとき、私は躊躇ってしまった。
だけど、松本くんの姿を………あの幸せそうな姿を見て覚悟が決まった。
私も欲しい…………私だって欲しいんだ。
どれだけ望んでも手に入れられなかった“幸せ”を!
私はトゥリトスからヴァイトップを受け取ると胸元に押し当てる。
するとヴァイトップはまるで底なし沼に沈むかのように私の体に取り込まれていき、
やがてヴァイトップは私の体に完全に同化した。
「うっ………あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「せいぜい上手くやるんだな」
全身に走る激痛に悲鳴をあげる。
トゥリトスは背中を向けると闇の中へと姿を消す。
「これで……これであたしは………!あぁぁぁぁぁぁぁ!」
それでもわかる。
理屈ではなく、直感で。
これで私は手に入れられる!
激しい痛みの中私の顔がは笑みに歪んでいくのがわかる。
たとえそれが泡沫の夢だとしても、私は…………!
そして私の視界は眩い光に包まれていった。
「………いるんでしょ?」
誰もいない美術館の地下フロアに私、真中 姫華はやって来た。
その表情は先ほど偶然出会った彼………松本 道紀に見せた作り笑いはもうない。
「覚悟はできたようだな」
そんな私の眼前に現れるのは極彩色の異形……トゥリトスとか言ったっけ。
トゥリトスはその手に握られていたベーゴマのような形の宝石を差し出してくる。
差し出された宝石は薄暗い地下室においてもなお美しい光を放つ。
「受け取るといい。これはお前の“ヴァイトップ”だ」
宝石の名は“ヴァイトップ”。
それは使用者に望むものを与えてくれる『神の福音』。
だが、その対価は『人間としての自分自身』だ。
初めてこの男と出会ったとき、私は躊躇ってしまった。
だけど、松本くんの姿を………あの幸せそうな姿を見て覚悟が決まった。
私も欲しい…………私だって欲しいんだ。
どれだけ望んでも手に入れられなかった“幸せ”を!
私はトゥリトスからヴァイトップを受け取ると胸元に押し当てる。
するとヴァイトップはまるで底なし沼に沈むかのように私の体に取り込まれていき、
やがてヴァイトップは私の体に完全に同化した。
「うっ………あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「せいぜい上手くやるんだな」
全身に走る激痛に悲鳴をあげる。
トゥリトスは背中を向けると闇の中へと姿を消す。
「これで……これであたしは………!あぁぁぁぁぁぁぁ!」
それでもわかる。
理屈ではなく、直感で。
これで私は手に入れられる!
激しい痛みの中私の顔がは笑みに歪んでいくのがわかる。
たとえそれが泡沫の夢だとしても、私は…………!
そして私の視界は眩い光に包まれていった。