Phase.4 再会─出会いと別れと─

チケットを買うと会場になっているフロアへと向かう。


「ねぇねぇ、どの作品がいいの?」


会場に入りあたりを見回してあかりんがたずねる。

会場には山下清画伯が残した作品たちが所狭しと飾られていた。



「うーん……まずはこれだね」

まずはひとつの絵を指差す。
その絵はちぎった紙で花火を描いたものだった。


これも有名なやつだ。




「この絵は『長岡の花火』って言ってね、山下清画伯の最高傑作と言われてる絵さ。

その大胆な構図の取り方や繊細な色彩は………」


「……ふふっ、相変わらずね。松本くんは」


興奮気味に絵の解説をしている俺に女性が話しかけてくる。
彼女の声に振り返ると、自分の表情が一層明るくなっていくのがわかる。



「あっ、お久しぶりです!」


「……みっちゃん、この人は?」


道紀が“彼女”に笑顔を向けた途端、あかりんは少しだけ不機嫌になったような気がした。




ヤキモチを妬いてくれているのだろうか。



それなら………ちょっと嬉しいな。
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