それを見た蝙蝠男は俺を挑発するかのように手招きをしては竹やぶの奥へと戻って行く。



上等だ…………今までの借りはここで返してやる。




「うわっ！」


加速して瞬間、思わずその巨体が吹っ飛ばされそうになる。


吹っ飛ばされないように堪えながら懸命にアクセルをふかすが、事はそう簡単ではない。




周辺に密生する竹がその進路を阻んでいるからだ。


慣れないバイクに青々とした孟宗竹を避けながらのコースでは奴を追走するのは困難だろう。



しかし………





「この俺を………なめんなよ！！」



プライムのスーツによって強化された身体能力と俺の技術。


それらの融合により難なくそれらを避け、奴を追い詰めてゆく。




これには奴も驚きの顔を隠せずにはいられないって言ったところか。



まさか初めて乗るバイクを………しかも変身していても吹っ飛ばされそうになるほどのバイクを
ここまで乗りこなすとは誰も想像出来ないであろうな。



奴との距離がみるみるうちに縮まってゆく。





「ガァァァァァ！」


バットアンゲロスは振り向き様に火炎弾を放つ。


俺はそれさえ難なくかわすとアクセルを全開にし、飛び上がる。




それはもはや翼を得たが如し。





────奴との距離は目と鼻の先だ。