Phase.3 疾走─駆け抜ける騎兵─
「………え……?」
聞き覚えのある声に振り向く。
俺を『ミィ』なんて女の子みたいなあだ名で呼ぶ物好きはアイツしかいない。
「秋くん!!」
バイクに乗ってこちらに突っ込んでくる秋くんの姿がそこにあった。
バイクのフロントライトの光に再び目がくらむ蝙蝠男。
秋はバイクごと蝙蝠男に突っ込むと蝙蝠男を跳ね飛ばした。
「乗れ!今のうちに逃げるぞ!」
「う、うん!」
俺を後部シートに乗せ、アクセルを全開にすると
バイクは悪路を物ともせず竹やぶの中を駆け抜ける。
「どうしてここがわかったの?」
「ケータイのGPSだよ。 ユカさんから連絡があってさ………
GPS使って追いかけてきたらこれだ。ホントびっくりだぜ」
「………ごめん………ありがと」
秋くんたちを巻き込むまいと思っていたのに、また巻き込んでしまった。
俺は自分が情けなくなり、秋の腰に手をまわすと涙を流した。
「気にすんな………」
秋くんの優しい声。
やっぱり秋くんは頼りになる。俺なんかと違って。
───やがて、竹やぶの出口が見えてきた。
「よし、ここまでくれば………!」
公道付近に差し掛かりここまでくれば………
もう奴も追ってこないだろうと安心した瞬間だった。
突如激しい衝撃に襲われ、バイクは横転。
俺たちはシートから体を投げ出された。
しかし幸いにも草木がクッション代わりとなり大事には至らなかった。
だが………………
「ガァァァァァ!!」
蝙蝠とは似ても似つかないような雄叫びを上げながら蝙蝠男が道紀に襲いかかる。
「ウッ……!」
生身の人間に怪物の攻撃が躱せるわけもない。
奴の牙は俺に突き刺さっているかに思われた。
しかし痛みは感じていない。
「えっ……………」
目の前で起こったことに道紀は驚きを隠せなかった。
秋くんが俺を庇ってその牙の前に身を投じたのだ
「秋くん!」
俺は蝙蝠男に蹴りを放ち、奴を蹴り飛ばすと
秋くんの体をしっかりと抱きかかえる。
秋くんの血で俺のTシャツが赤く染まる。
「俺は大丈夫………それよりもミィ……今のうちに逃げろ………」
震える手で俺の手を握り笑顔をみせると、秋くんは精魂尽き果てたように意識を失った。
聞き覚えのある声に振り向く。
俺を『ミィ』なんて女の子みたいなあだ名で呼ぶ物好きはアイツしかいない。
「秋くん!!」
バイクに乗ってこちらに突っ込んでくる秋くんの姿がそこにあった。
バイクのフロントライトの光に再び目がくらむ蝙蝠男。
秋はバイクごと蝙蝠男に突っ込むと蝙蝠男を跳ね飛ばした。
「乗れ!今のうちに逃げるぞ!」
「う、うん!」
俺を後部シートに乗せ、アクセルを全開にすると
バイクは悪路を物ともせず竹やぶの中を駆け抜ける。
「どうしてここがわかったの?」
「ケータイのGPSだよ。 ユカさんから連絡があってさ………
GPS使って追いかけてきたらこれだ。ホントびっくりだぜ」
「………ごめん………ありがと」
秋くんたちを巻き込むまいと思っていたのに、また巻き込んでしまった。
俺は自分が情けなくなり、秋の腰に手をまわすと涙を流した。
「気にすんな………」
秋くんの優しい声。
やっぱり秋くんは頼りになる。俺なんかと違って。
───やがて、竹やぶの出口が見えてきた。
「よし、ここまでくれば………!」
公道付近に差し掛かりここまでくれば………
もう奴も追ってこないだろうと安心した瞬間だった。
突如激しい衝撃に襲われ、バイクは横転。
俺たちはシートから体を投げ出された。
しかし幸いにも草木がクッション代わりとなり大事には至らなかった。
だが………………
「ガァァァァァ!!」
蝙蝠とは似ても似つかないような雄叫びを上げながら蝙蝠男が道紀に襲いかかる。
「ウッ……!」
生身の人間に怪物の攻撃が躱せるわけもない。
奴の牙は俺に突き刺さっているかに思われた。
しかし痛みは感じていない。
「えっ……………」
目の前で起こったことに道紀は驚きを隠せなかった。
秋くんが俺を庇ってその牙の前に身を投じたのだ
「秋くん!」
俺は蝙蝠男に蹴りを放ち、奴を蹴り飛ばすと
秋くんの体をしっかりと抱きかかえる。
秋くんの血で俺のTシャツが赤く染まる。
「俺は大丈夫………それよりもミィ……今のうちに逃げろ………」
震える手で俺の手を握り笑顔をみせると、秋くんは精魂尽き果てたように意識を失った。