Phase.3 疾走─駆け抜ける騎兵─

──同日 午前11時45分


「……ありがとうございました!」


無事に社会科見学も終わり俺たちはバスに乗り込んだ。



「いや~~、面白かったな!まさかあれで日本中に電気を送ってたとかな」


バスに乗り込んで早々秋くんが俺と明あかりんに話しかけてくる。
この街に引っ越して間もない秋くんにはこの社会科見学は実に楽しいものだったようだ。




「そうだね~、あれであたしたちの家の電気を賄ってるんだね」


「これがSFじゃなくて本物だからビックリなんだよなァ。

………って、ミィ……さっきから黙ってどうしたよ?」




「あ………なんでもないよ」




「みっちゃん……もしかしてまだあの事件のこと……」



あかりんが“それ”をいうと3人して表情が強張る。
無理もない、俺たち3人ともあのゲームセンターで怪物が起こした事件を忘れたわけではないのだから。




「無理もないよな……あんだけ怖い思いしたら……」


「だ、大丈夫!ホントそういうのじゃないから!」


慌ててふたりに大丈夫だと言ってしまう。






「………こないだも言ったろ?……あの時助けてくれた人がいたって。だから俺は大丈夫」
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