Phase.3 疾走─駆け抜ける騎兵─

あれから俺たちは駆けつけた警官たちに保護された。



何時間にもわたる事情聴取の果てに解放されたわけだが、
怪物に襲われたという話は信じてもらえず、結局事件は『交通事故』として処理された。



蜘蛛男に襲われた野次馬たちの変死体や蜘蛛男たちの残骸はというと、
事情聴取が終わったころには最初から何もなかったかのように綺麗になくなっていたのだ。




俺にベルトを渡してくれた男もいなくなってたし………幾ら何でも妙だ。




そして、不自然過ぎる。



残されたのはプライムレイザーというこのベルトだけ……。






「………それでも俺は」



────正直わからないことが多すぎる。



しかし今自分がここにいるのはあの人が命をかけて救ってくれたからだ。


そして望んだわけではないが、力を手に入れた。




──せめて俺は、自分に出来る最善のことをしなきゃ。



ベルト……プライムレイザーを手に取り、そう決意するのであった。
3/25ページ
スキ