「シィィィィィィィ………！」



糸を垂らし天井に逆さにぶら下がっている“ソイツ”は……

人体模型のように筋肉や血管内臓が露わになっており、背中からは蜘蛛のような腕が8本生えている。

そして目を引くのがベルトのような装飾品と頭上の輪。




蜘蛛のようであり、人体模型のようでもあるなんとも不気味な姿をした“ソイツ”はさながら蜘蛛のように糸を飛ばし近くにいた野次馬の1人を捕縛した。





そして野次馬を引き寄せれば首筋に噛みつき養分を吸い取る。



そして養分を吸いきった野次馬を投げ捨てる。






「ねぇ！これは何！？……悪い夢なんだよね！？」


突如現れた異形の蜘蛛男にうろたえ、パニックになるあかりん。
特撮ヒーロー好きだって言ってもこの異形の怪物は
恐ろしいようでガタガタと体を震わせている。





「あかりん落ち着いて！アキくん、あかりんを連れて先行って！」


「ミィ、お前どこに！？」



狼狽えるあかりんを秋くんに託すと俺は駆け出す。



そこには親とはぐれたのだろうか。幼い女の子がうずくまっていた。