Phase.7 復活─過激にいこうか─

「ふんっ!」


その巨体からは想像も出来ないようなスピードでセグンドに肉薄すると、両手の棍棒を振るった。

棍棒は意識を保ってるだけで精一杯のセグンドの体に食い込み、その体を宙へと放り上げてしまう。


さらに追撃として宙を舞うセグンドに追いつき、追撃をかました。

一本だけでも身の丈を超える大きさの棍棒を二本同時に叩きつけられるのだ。
無事なわけがない。
巨大な爆発音に似た衝撃音と共に、地面に勢いよく叩きつけられる。



しかし………




「……ま、まだだ………!」


セグンドは立ち上がり、フォルスに殴りかかる。

体はもうとっくに限界だというのに。




「チッ……まだ立ち上がるか!」


力の差は歴然。
圧倒的に有利なのは自分だ。

しかし限界であるはずの目の前の相手はまた立ち上がる。

フォルスは舌打ちをするとセグンドの拳を体で受け止め棍棒を連続で振るう。



「うっ……ぐっ!」


避ける体力すらなく攻撃を受け続けるセグンド。
フォルスの放つ攻撃の一発一発が重く、セグンドの体力を削ってゆく。



「逃げてアキくん!勝ち目ないよ!!」


余りにも一方的な展開に泣き叫ぶことしかできない。

本来なら助けに行きたかった。

でも……俺の体は動かない。




「……ミィが見てるんだ……にげられっかよ!」


しかしセグンドは……秋くんは逃げるどころかフォルスに立ち向かってゆく。


その戦いの中で俺は、誰かが言ったある言葉を思い出していた。


口に出して言ってみればかっこいいが考えてみれば実に重い言葉。



俺が見ているから?

だから逃げるという選択肢を捨てたのか?




『たとえ勝ち目がなくても男には戦わなければならない時がある』。



秋くんは今、戦っている。



……それは俺も同じなんじゃないのか?
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