Phase.7 復活─過激にいこうか─

フォルスの手に握られているアームロイドコアは……遠目からだが、ゴリラの絵と両腕に棍棒を持った鬼のような絵がそれぞれ描かれているのがわかった。



「アキくん、気をつけて!」

ゴリラの絵と鬼の絵……どちらも腕力に定評があるもの同士なのは子供でも分かる。

……ただでさえ腕力が発達しているのに、まだその腕力を強化しようというのか。


もし、その予測が当たったのなら秋くんはただではすまないだろう。


俺は声の限り叫んだ。




《MIKADO-GIGA KONG β! IN TO BE ACTION!》


しかし、敵がこちらの意思を尊重などしてくれないのは当然な訳で。


フォルスはアームロイドコアの絵柄を揃える。

すると、奴の背後の空間が文字通り裂けた。

何もない空間に亀裂が走るという非現実的な光景が繰り広げられたと思いきや、7メートル程の巨大なゴリラ型のアームロイドが亀裂から這い出るようにしてその姿を現した。




「……なんだこりゃ……でけぇ……!」


「嘘……」


そのガイダンスボイスを察するに、あの巨大なゴリラ型のアームロイドこそが『ミカド・ギガコングβ』と呼ぶらしい。

その巨大な姿を見て思わず俺もあかりんも、それからセグンド……秋くんも恐怖を抱くよりも先に呆気にとられてしまった。




「他にもアームロイドを持っているのか……!!」


「……ッ!」


セグンドは咄嗟に反応し、先制攻撃しようとしたが、ミカド・ギガコングβはセグンドが行動するよりも早くセグンドの体にボディブローを叩き込んだ。


ドンという爆発音にも似た衝撃音。

あまりに大きすぎる衝撃と地面を揺るがすほどの爆音。


俺は思わず目を背けてしまった。




「……ぐっ!?」


放物線を描きセグンドの体は宙を舞い、俺のすぐ側まで吹き飛ばされ、ドサリと崩れ落ちた。


ダメだ、秋くんにはこいつにはかなわない……!




「アキくん!!」


「緑川!」


「2人とも下がってろ……!」


地面に倒れ伏すセグンドに駆け寄る俺たち。

身体中が痛むはずなのに、それでもセグンドは立ち上がるとフォルスの前に立ち塞がる。



《CONNECTING》


《OH,YEAH!DOCKING FORMETION KAISER!》


奴がアームロイドコアの絵柄を鬼の絵柄に揃えるとアームロイドコアからガイダンスボイスが鳴り響き、ミカド・ギガコングβのパーツが分離。

そして、アーマーをパージしたフォルスと合体する。




そして現れたのは……



アメフト選手のユニフォームのような巨大な鎧。
鬼を模した頭部。
そして目を引くのは二本の巨大な棍棒……『ソウデノオオバチ』。



先に見せたマグネットフェイズとは打って変わり、更に野獣然とした姿……『フォルス・カイザーフェイズ』へと進化したのだ。
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