Phase.7 復活─過激にいこうか─

バス停へとたどり着くと時間を確認する。


次のバスの停車時刻は午後7時15分。

今から10分後だ。

俺は時間潰しにスマホを取り出すとケータイサイトを開き閲覧する。


そうやって時間を潰しているとバスがやってきた。




「………………」


バスに乗り込むと窓際の席に座り、ボンヤリと窓の外を見つめる。

窓の外には姫矢グループの三日月型のビルが見えた。


──この街の象徴である、姫矢グループ本社のビルはあまり好きにはなれない。



何故なら、このビルはこの街の象徴であると当時に、この街を牛耳る姫矢グループの象徴、そして支配の象徴であったから。


元々、姫矢市は『願葉市』という小さな街だった。

だけど姫矢グループの進出により街はあっという間に作り変えられ、それに伴い生活の場を奪われた人たちも大勢いた。


実際に俺もそんな人たちを大勢見てきた。


だからこそあの三日月型のビルがあいつらの……姫矢グループの連中の自己満足と自己顕示欲の塊にしか見えないし、なにより“いつも監視されているかのようで”それが堪らなく嫌なんだ。




『……次は願葉第一高校前。The next bus stop is GANBA No.1 HIGH SCHOOL』


やがてガイダンスボイスが響きわたり、バスはゆっくりと発進する。

それと同時に三日月型ビルもほかの建物の陰になって見えなくなった


三日月型ビルが見えなくなると、思わずホッと胸を撫で下ろした。
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