Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「だからさ……一緒に強くなろう。

これからは俺たち2人でダブルライダーだ」


涙を拭い、ミィから離れ………俺はセグンドレイザーを取り出した。



これが奴への唯一の対抗手段。


そして、俺の覚悟の形だ。




「アキくん!?」


「あんたまさか!?」


ミィも篠宮も驚きの声を上げた。


まぁ、驚くのも無理はないか。


だけど、俺はそんなふたりをよそにサボテン野郎の前に立ちはだかる。





───ここから後ろには通さない。


なけなしの勇気を奮い立たせる。




「………俺にゃ正義の味方なんかガラじゃねぇ。

でもな、ミィや篠宮の為にも…………




俺自身の為にも…………



俺は……!自分たちの“弱さ”を肯定する!


そして俺は!
自分たちの弱さと向き合うために戦う!」




──なけなしの強がりを虚勢で塗り固め、声の限り叫ぶ。



この強がりが現実の強さになるかはわからねぇさ。

だけど、この目には………この心には覚悟の炎が灯っているんだって信じている。




《HEY YOU AREYOU READY!?》


「変身!!」


《OH,YEAH!SEGUND SHOW TIME!!》



──散りかけた閃光の中から一歩踏み出す。



サボテン野郎が気圧されたかのように後ずさったのが分かる。



纏い付く光が霧散し、蒸着された装甲を残して消え、現れた俺の姿は………



緑の装甲に青い複眼。

光で構成されたマフラーと触覚。


その姿はミィが変身した姿………“プライム”のそれと酷似していた。






「お前は一体何なんだ!?」


お膳立てするかのように、定番のセリフを吐きやがる。


さぁて………今こそ名乗りをあげるときだ。



敵を睥睨し、宣誓。



仮面の下で小さく息を吸い、凛としたそれでいて力強く名乗りを上げた。





名乗るなら、もう『この名前』しかあり得ねぇよ。







「俺の名前は“仮面ライダー”。



──この名前、覚えておいて損はないぜ」
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