Phase.6 爆現─俺たち二人で─

──AKI SIDE ──


ドォォォォォォォン!


「「!?」」



直後、爆発音とともに爆炎が上がった。


本当にこの街では爆発がよく起こるような気がする。


そんなこと言ってる場合じゃねぇけど………




「またかよ!」


爆発音が聞こえてくると、篠宮とこの俺、緑川 秋は爆発が起こった場所へと走りだした。

爆発音と爆炎の位置からしてそう遠くない場所だってのは分かる。



「どこだ……俺のベルトォォォォォォ!!」


公園を出て5分くらい走った所で暴れている今朝のサボテン野郎に遭遇する。

口調からしてあのボスだろうか。



「あそこにいるのみっちゃんじゃない!?」


「………ミィ!!」


篠宮が指差す方を見てみれば、逃げ惑う一般人に紛れてミィが襲われていた。

俺はミィを襲おうとしていたサボテン野郎を蹴り飛ばすと、ミィの手を掴み篠宮と一緒に安全な場所へ移動した。


「ミィ、怪我してないか?」


「………ごめん」


物陰にミィを座らせると、俺は物陰からサボテン野郎の様子を伺う。

ミィの奴は今にも泣きそうな顔でうつむいている。



「ホントならベルトつけて行かなきゃいけないはずなのに行けない。やっぱり怖いんだ……」


「……みっちゃん……」


「俺は無力だ……」


そう言いながら涙をぬぐいながら泣きじゃくるミィ。

見ていられなかった。

俺はミィの……その両手を握る。



「なにいってんだ……みんな最初から強いわけじゃねぇよ。

お前も俺もまだまだ弱い。

だからこそ強くなれるんじゃないか」


「秋くん………」


「それにたとえ弱くても………それでもお前は俺にとっては“ヒーロー”だ。

孤独だった俺を救ってくれたのは紛れもなくお前なんだぜ……」

ミィの体を優しく抱きしめる。

きっと泣いてるのを悟られたくなかったからだ。


でも、こいつはこんな細い、ちいさな体で必死に戦ってたんだよな。


ミィの体から伝わる優しい暖かさと共に涙が溢れてきた。
36/37ページ
スキ