Phase.6 爆現─俺たち二人で─

────

あかりんも、秋くんも出ていってしまった。

俺……松本 道紀は、少し気分が落ち着いたので気分転換に外出していた。


その手にはカマラーダのアームロイドコア。



「……」


《CAMARADA IN TO BE ACTION!》


アームロイドコアを起動させ,待つこと数分。

エキゾーストノートを響かせながら喋るバイク、カマラーダがやってきた。



「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!

要件はなぁに?そんな浮かない顔して」


上機嫌なのか妙にハイテンションなカマラーダ。

何故かそんな彼女の姿をみると、俺の表情が暗く曇ってしまったのが自分でも分かってしまった。


別にカマラーダが嫌いな訳ではないけど……これから打ち明けることを考えたら、ね。




「……これからどうすればいいのかなってさ。

もう変身もできない。戦う資格もない。

こんな俺に出来ることって……」


「ふーん………


あたちしらなーい。そんなの自分で考えなよ~」


機械であるカマラーダに話しても仕方ないと知りつつも今抱えている悩みを打ち明けた。



誰でもいいから事情を知っている誰かに聞いて欲しかったんだ。


予想はしてたけど、カマラーダからはなんとも素っ気ない返事が返ってくる。




「……そう、だよね」


何度もいうけど、予想通りのリアクション。


だが、優しい言葉をどこかで期待していたのだろう。


思わず落胆してしまった。




「……でもさぁ、これだけは言える。

自分の出来ることを探すよりも自分がしたいことをすればいいんじゃないかなぁ」


「それがわからないからこまってるんじゃないか………」


「とりあえず今言えるのはそれだけ。

要件がそれだけならあたちは行くね?」


『出来ることを探すよりやりたいことをやれ』

出来ることならやってる。出来ないから困ってるんであって。



だけど、カマラーダはそそくさと去っていった。




「待って!」


慌てて追いかけるが、生身の俺がバイクに追いつける訳もなく、情けない姿の俺だけがその場にのこされた。
35/37ページ
スキ