Phase.6 爆現─俺たち二人で─

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午後3時15分 葉月区 公園



「……ねぇ、どうすんの?これから」


ミィと別れ、篠宮と俺は今後のことを話し合うために近所の公園へと来ていた。


女子高生ひとり、男子高生ひとりってなんかデートしてるみたいって?


………残念ながら篠宮にゃ興味ねーよ。




「さぁな……なるようにしかなんないだろ」


2人してブランコに座りながら考えるものの、いいアイデアは一向に浮かばず、こうして時間だけが過ぎてゆく。



「………ねぇ、やっぱりみっちゃんがいた方がいいんじゃ」


「それはダメだ」


篠宮は怪物共と戦ってきたミィがいた方が、この街で起こっている事を調べるにはいいのではないか、と提案するがそれは却下。



「もうあいつは巻き込めねぇ……
あんなにボロボロになって……。

この間だってそうだ……あいつ、大切な人を失ってまで俺たちを守ってくれた。

あいつはいつだって誰かのために傷ついてばっかりで……だからもうこのベルトはあいつの側には置いとけねぇ」


「待って……緑川。

誰かのために傷つくことがそんなにおかしいことなの?」


手に持ったベルトを見据え、篠宮が口を挟む。



「……おまえ」


「あたしみっちゃんが間違ってるなんて思えない。

それなのにそんな風に悲しんだらみっちゃんがやって来たこと全部が無駄になるじゃない。

それにみっちゃんは絶対に立ち直るって信じてる。

だってみっちゃんは強い子だもん!」


篠宮は涙ぐみながらも自身の思いをぶつける。

こいつもずっと我慢してたのか。


ミィに傷ついて欲しくないのはこいつも同じ。
だがそれはミィを信じているからこそ言えた言葉なんだ。



「そう………だよな。

俺たちが信じてやんないでどうすんだって話だよな……」


しばらく篠宮を黙って見つめていたが、俺は自分に言い聞かせるように呟くと、懐からもう1つのベルトを取り出した。




「もう、覚悟は………………出来てるよ」
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