Phase.6 爆現─俺たち二人で─
『2度目の事件』が起きたのは高校1年の5月のことだった。
ゴールデンウィーク前でクラスのみんなが浮かれている時も俺は喧嘩に明け暮れていた。
相手の数は………もう忘れた。
なんか沢山いたけど、中には大人もいた。
始めからかなうわけなどないというのは俺自身が一番理解していた。
だが俺は馬鹿だから………たった1人で挑んでいった。
案の定、俺は殺されかけた。
自分を痛めつけるだけ痛めつけて去っていく男たちを見ながら俺は父ちゃんの元へと逝くのだとばかり思っていた。
そもそも、生きる気力なんて湧くわけなんざねぇ。
死神が喜んで飛びついてきそうなほど死んだ目をした俺を救ったのは……
「───誰かを救うのに理由なんていらないだろ」
凛とした態度、死神の鎌すらはじき返してしまえそうなほどの意志の籠った強い瞳。
女の子と見紛うような可愛らしい容姿のアイツは手当をしながらはっきりとそういった。
子供の頃に憧れたヒーローのようなことを、さも当たり前のように。
アイツが本当は自分を怖がっていたことは知っている。
だが、その言葉に偽りがなかったことも理解できた。
あの時、父ちゃんが死んで以来、流さなかった涙が溢れてきたのを覚えている。
これが、第2の事件。
『アイツ』……松本 道紀との出会いだった。
ゴールデンウィーク前でクラスのみんなが浮かれている時も俺は喧嘩に明け暮れていた。
相手の数は………もう忘れた。
なんか沢山いたけど、中には大人もいた。
始めからかなうわけなどないというのは俺自身が一番理解していた。
だが俺は馬鹿だから………たった1人で挑んでいった。
案の定、俺は殺されかけた。
自分を痛めつけるだけ痛めつけて去っていく男たちを見ながら俺は父ちゃんの元へと逝くのだとばかり思っていた。
そもそも、生きる気力なんて湧くわけなんざねぇ。
死神が喜んで飛びついてきそうなほど死んだ目をした俺を救ったのは……
「───誰かを救うのに理由なんていらないだろ」
凛とした態度、死神の鎌すらはじき返してしまえそうなほどの意志の籠った強い瞳。
女の子と見紛うような可愛らしい容姿のアイツは手当をしながらはっきりとそういった。
子供の頃に憧れたヒーローのようなことを、さも当たり前のように。
アイツが本当は自分を怖がっていたことは知っている。
だが、その言葉に偽りがなかったことも理解できた。
あの時、父ちゃんが死んで以来、流さなかった涙が溢れてきたのを覚えている。
これが、第2の事件。
『アイツ』……松本 道紀との出会いだった。