Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「ミィ………」


「………今までずっとあかりんやアキくんに助けられてきて……。

そのくせ自分は大切な親友すら助けられないくらい弱虫で……だから自分の弱さを否定したくて戦ってきた。

俺だって強くなったんだって。俺だってやれば出来るんだって。


そう思いたくて戦ってきた。


でもやってきたのはただの人殺しで……自分も殺されるかもしれないことなんて、考えてなかった」


「……みっちゃん」


………ミィは涙ながらに自らの心中を語ってくれた。

親友だったやつを助けられなかったこと。

俺や篠宮に助けてもらってばかりでなにも出来なかったこと。

そして自分の弱さを否定するために戦ってきたこと。


俺たちは道紀にかける言葉が見つからず黙って聞くことしか出来ない。


ていうか………どんな言葉、かけてやればいいんだよ。

どんな言葉をかけてやればミィは自分責めるのをやめてくれるんだよ………。



ミィは更に言葉を紡いでいった。




「わかるんだ……そのベルトを使い続けていればいつかまたあいつが現れるって。

今度は確実に殺される。

だから俺はもう変身出来ない……俺に変身する資格なんて、ない」

ここまでいうとミィは俯き泣きじゃくった、

俺はミィの背中をさすった。


「………分かった。もう心配すんな。お前はゆっくり休め。

このベルトは念のため俺たちで預かっとく。

…………それで、いいよな?」


「……うん。ごめんね、アキくん…あかりん…」


「気にすんなって。困ったときはお互い様だろ?」

涙を流すミィに、俺はそう言って笑顔を見せる。

そしてプライムレイザーに視線を向けた。


この力は“大いなる力”。


それを振るうことは大きな責任が伴う。



決して生半可な気持ちで、ましてや遊びで手を出していい代物ではない。



だけど…………もう、“覚悟”は出来てる。
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