Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「これでよしっと……」


やがて手当てを終えるとミィの体に毛布をかけ片付けを始める。



「………お前、手際いいよなぁ」


「これでも心得ってやつはありますから!」


篠宮の手際のよさに思わず感心してしまう。

ぶっちゃけ篠宮は仮面ライダーのことしか頭にない奴ってイメージだった。


それを知ってか知らずか、篠宮はこれまた自信満々に答えやがった。



「………ねぇ、何があったの?」


ここで由花さんが口を挟んでくる。


由花さんにとってミィは家族同然の存在だ。

当然ながら、心配なのだろう。



「………そ、それは……」


「他校の生徒との喧嘩に巻き込まれたンスよ!
それをミィが止めようとして……大丈夫、喧嘩ぐらいで死にゃしないって!」


答えに困る篠宮を出来るだけフォローしようと、咄嗟に嘘をついた。

嘘の内容はともかく、怪物騒ぎに由花さんを巻き込まないための配慮も兼ねてだ。


でも救急車を呼ばずにアパートに連れ込んだのは、あのベルトの機能なのか、思ったほどミィの体に怪我がなかったから。



だからこそ、ミィは死なない。


そんな確信があったんだ。





「本当………?」


「ホントにホント!大丈夫だって!」


目を潤ませながら俺を見つめる。

俺は由花さんから視線を逸らさずに、由花さんの両肩を掴み力強く大丈夫だと言った。




「……うん。大丈夫、だよね!」


やがて由花も信じたのか涙を拭うとミィの手を握りしめた。
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