Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「な、なにするんですか!?」


「……どうした?……貴様もベルトオーナーだろう?だったら戦え」


弾丸を胸に喰らい仰け反るも体制を立て直した。


当のフォルスはジシャックバットーと分離し、元の姿へと戻る。



「……でなければ、死ぬだけだ!」


「うわぁぁっ!」


キラービームクローが振るわれる。

プライムのビームクローと比べても巨大なかぎ爪による一撃は、俺の装甲を易々と引き裂き、火花が散った。



「……くそっ、なんでこんな」


「それに“傷も癒えた”だろう?さぁ俺と戦え!」


「……傷……?っ!!」


そういえば意識も先ほどよりもはっきりしているし体の痛みもなくなっている。

俺はあろうことか、奴にその事を指摘されはじめて気づく。


後々知ることになるのだが、これもベルト………プライムレイザーに搭載された機能の1つである『リカバリーギミック』のおかげなのだ。

ベルトオーナーの状況に応じて、止血剤や増血剤、鎮痛剤などを撃ち込み、ベルトオーナーの怪我を薬理的に治療したり、スーツがギプス代わりになり、ベルトオーナーをケアするのだ。


………いやケアではないか。


ベルトオーナーを、プライムという兵器の部品とするためのシステムなんだろうな。




「どうやらベルトの機能もロクに理解していないようだな……。

貴様のような奴が戦場に出てくるとは……ますます叩き潰したくなる!」


俺がベルトの力を理解してなかった事を知り、奴はあからさまに落胆する。


そしてそれに怒り、巨大な右腕からパンチが放たれる。

フォルスの拳は、俺の土手っ腹を捉え吹き飛ばす。



「……こ、このぉぉぉぉ!」


『自分は貴方の敵じゃない』。
『自分は戦うつもりなどない』。

言いたいことは山ほどあったが、相手に何を言っても無駄だ。

このままでは一方的にやられるだけ。



俺はヨロイカブトのアームロイドコアを起動させた。
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