Phase.6 爆現─俺たち二人で─

後に残ったもの。

それはくしゃくしゃに丸められた紙のように固められた球体。


磁石と化したサボテン男に引き寄せられ、サボテン男を押し潰した周囲の自転車や車が極限まで圧縮され、球体のようや形をとったのだ。


球体の隙間からは血が滴り落ちている。

中で押しつぶされたキャクタスアンゲロスのものだろう




「ちっ……!」


こうして取り巻きは1人残らずいなくなった。
こうなったら………とサボテン男のボスはベルトを起動させる



変身してフォルスと戦うつもりなのだろう。





しかし……そんなにフォルスは甘くはない。





「させるか………!」


「ウワッ!」


強烈な蹴りにより、ベルトを弾き飛ばされてしまう。

そして、サボテン男のベルトは秋くんの足元にまで転がっていった。



「グッ………チクショォォォォ!覚えてろよ!!」


───ベルトさえあれば逆転のチャンスもあっただろう。

しかしベルトを取りにいく前にフォルスにやられるのは目に見えてわかっている。



サボテン男のボスは三下同然の捨て台詞を残すと逃げていった。





「……所詮は三下か。くだらん」


これにはフォルスも追撃する気が失せたようで逃げ出したサボテン男を追おうとはしない。



「……た…助けてくれて、ありがとうございます」


戦いは終わった。

何がともあれフォルスと呼ばれたあのライダーは俺たちを助けてくれたのだ。



俺はフォルスに歩み寄る。

だが、あんな戦いかたを見せられては恐怖心しかない。


故に俺の体は震えており、変身も解く勇気はない。







「……甘いな、本当に」


近づいた途端、奴は笑ったような気がした。






案の定、というやつだ。








「っ!?」


フォルスはマグネシューターの銃口を俺に向け引き金を引いたのだ。
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