Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「……さて、もう一体いたんだったな」


動かなくなったサボテン男………いや、サボテン男“だったもの”を放り投げると、もう一体のサボテン男へと近づいていく。


もう一体のサボテン男は恐怖のあまりフォルスに近づけない。




「く、来るなぁぁぁぁ!!」


「お、おい!」


恐怖心がピークに達し、ボスを置き去りにして逃げ出してしまう。




「逃げられると思うな……!」


《JISHACK-BATTO!IN TO BE ACTION!》


奴が取り出したのはいつしかのルービックキューブ型の機械。『アームロイドコア』。

俺の所有するものとは異なり、コウモリの絵柄が描かれたものだ。

奴はすぐさまアームロイドコアの絵柄をコウモリに合わせた。


すると閃光と共にU字磁石の翼を持つコウモリ型のアームロイドが現れた。


ガイダンスボイスからしてその名前は『ジシャックバットー』でいいのだろう。




「……アームロイドまで使えるのか……!」


名前なんてどうでもいいが、奴も自分と同じようにアームロイドまで使えることに驚いてしまう。

普通に考えても、自分が使えるアームロイドを奴が使えない訳などないのだが、それでも驚くことしかできない。





「ーーーーーー!!!」


「ウッ!!」


ジシャックバットーの鳴き声が響きわたる。

俺たちは聞くだけで頭が割れそうなほどのけたたましい鳴き声に思わず耳をふさぐ。



コウモリだから俗に言う超音波攻撃か?



一瞬そう考えたが、その予想は大きく外れることとなる。




「な、なんだ!?」



────その時、異変が起こった。



キャクタスアンゲロスの体が光に包まれた。


やがて光が収まったと思えば、近くに駐車されていた車や自転車がキャクタスアンゲロス目掛けて比喩抜きに飛んできたのだ。
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