Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「なんだテメェ……!」


「………危ないから逃げて……!」


ぐらつく意識のなか俺は大男に向かって叫んだ。


しかし大男は逃げるどころか逆にこちらに近づいてくる。




「……自分も死にかけだというのに他人の心配か。

それでもお前“ベルトオーナー”か?」


「………ベルト、オーナー……?」


聞きなれない単語に首をかしげる。

単純に訳せばこのベルトの装着者のことだろう。


あのサボテン男のベルトもそうなのだけど、自分のベルト………プライムレイザー以外のベルトを見るのははじめてなのだが。




「ごちゃごちゃ話してんじゃねェェェ!」


無視されて怒ったようで、ボスは棘ミサイルを大男目掛けて発射する。



だが………





「無駄だ」


目にも止まらぬ早さで全ての棘ミサイルをキャッチしてしまうと棘ミサイルをキャクタスアンゲロスの方に投げ返す。


行き場を失った棘ミサイルはキャクタスアンゲロスたちに襲いかかり、取り巻きのキャクタスアンゲロスたちを吹っ飛ばした。




「なっ……!」


「うそ、でしょ……………」


この場にいた誰もが、あの大男の身体能力に驚かされる。

無理もない。

スーツの力で身体能力が強化された今の俺ならまだしも生身の人間が高速で飛び交うミサイルを捌ききったのだから。
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