Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「ミィ!何やってんだ!」


「………しまっ……!」


秋の声に我に返った頃には時すでに遅く、腹部を蹴り上げられた。


重力を振り切り大きく吹き飛ばされる俺の体。



コンクリートの壁を粉砕し派手に地面に叩きつけられた。




「ミィ!!」


「みっちゃん!!」


「……なんだがしらねぇがチャンス到来ってなぁ!!」


これ見よがしにとサボテン男たちは俺を無理やり立たせると容赦ない攻撃を浴びせる。



裏拳に肘鉄に膝蹴り……その一発一発が重く俺の意識を削りとってゆく。




「………くっ………!」


反撃したくとも全身に走る激痛に思うように体が動かない。


しばらくすると、感覚が麻痺したのか痛みすら感じなくなってきた。





今度こそもうダメだ………




もう、死ぬんだろうな。







─────そう思った瞬間だった。






「………甘いな、お前」


野太い男の声が響き渡った。




「あぁ?」

サボテン男のボスが振り返る。




そこには白衣に身を包んだ、あり得ない程の巨体を誇る男がいた。
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