Phase.6 爆現─俺たち二人で─

「でもホント元気になってよかったよ」


「うん……2人のお陰だよ」


俺の元気そうな様子を見て安心したのか秋くんは笑顔を見せてくれる。

俺も、なんか落ち着いたのかつられて笑顔になった。




「……って、もうこんな時間か……それじゃそろそろ行くな」


ふと時計を見てみると時間は午後5時を過ぎていた。

秋くんは帰り支度をすると立ち上がった。




「あっ! 

あたしも買い物行かなきゃ!秋くんまた来てね!」


同じくユカ姉も立ち上がりそう言うと、買い物袋を取りに慌ただしく部屋を出て行く。




「そんじゃまたなんかあったら呼んでくれや。すぐに行くから」


「うん……また明日ね」


「おう、また明日な!」


そして秋くんも部屋を出て行き、部屋には結局俺だけが残された。



────やっぱりダメだ。


誰かがいなきゃ俺は…………。



布団にくるまり横になる。




「…………」


静かになった部屋。


先程までは気が紛れていたがひとりになった時、決まって思い浮かぶのは先日の激闘。



そして姫華さんの死。




「………姫華さん」


布団にくるまり、涙を流す。


……心の傷は癒えてなどいない。

たった一週間で癒えるわけなどない。


きっとこの先もこの傷を抱えて生きていくんだ……。
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