Phase.6 爆現─俺たち二人で─
────さて、読者諸君。
待たせたな、ここからが俺の出番だ。
「よぉ、4号機のマッチョメン」
「…………組織の人間か」
バーナクルアンゲロスが全滅すると、俺は光学迷彩を解除した。
変身こそしていなくとも組織から支給されたアイテムにより、ある程度はそういう力を使える。
辺りを見回してみれば辺りの緑はすっかり赤黒く染まり、薄桃色の肉片があちらこちらに散らばっている。
───なるほど。なかなかの地獄絵図。なかなかの悪趣味だ。
しかしそんなことはどうでもいい。
呆気なく終わらされてしまっても、データ取りにもならねぇ。
気に食わねぇが、仕事をしている素振りだけでも見せておかねぇと。
じゃなきゃ………“俺の計画”にも支障が出るってもんだ。
「そうだな………お前さんのいう通り、俺はお前が打倒を誓う“組織の人間”って奴だ………。
────今のところは、な」
「そうか………だったら…………!」
そういうとフォルスは俺に飛びかかってくる。
簡単に挑発に乗ってくれるが、こうして目の前にやってくるとなかなかの迫力だ。
…………狙い通りだ。
─────遊んでやるよ。
「よっ、と」
「!?」
俺は奴の攻撃を飛び退いて回避すると、奴は一瞬驚いたような素振りを見せた。
…………だろうな。
生身の人間が変身した自分の攻撃を回避してしまえばそりゃ俺だって多少なりとも驚くさ。
そして俺は体勢を立て直すと銃型のアイテムを取り出した。
これが今現在、俺に与えられた力だ。
「…………ッ!貴様………ッ!」
「………怒りに燃えるその眼………解るぜ、お前の気持ち。
俺もお前と同じクチだ……人間の悪意を憎み、そして世界の全てを焼き払っても決して満たされない……憎悪が宿った眼だ」
───気に入った。
俺は恐らくそう思ったんだろうな。
だからこそ俺は今のコイツの実力を見てみたい。
本来ならば戦闘まではする予定ではなかったが…………せっかくだ。
…………“実験”を始めようか。
《Loading………》
俺に支給された銃型のアイテム……『トランスフェイサー』に装填するバッテリー。
『コンパクトシュトローム』と名付けられたこのバッテリーは姫矢の街の経済を支えるエネルギー………リヒトシュトロームが充填されている。
コンパクトシュトロームの装填こそがそのままトランスフェイサーの起動キーとなる訳だ。
「…………鎧装」
《Got it soon………!》
システムの起動と同時に音声認識をさせる。
変身コードは『鎧装(がいそう)』。
『バッテリーの装填』と『音声による変身コードの入力』。
この二段階認証により『変身』が発動するのだ。
赤い光と共に、俺の装甲が銀色の装甲に包まれる。
やがて変身が完了すると、俺の体は銀色をベースに赤いラインが走ったシンプルなスーツに包まれた。
頭部にはヘラクレスオオカブトを模した一本角と緑の単眼。
『ズィルバーン・クーゲル』。
それこそが今の俺の力って訳だ。
「貴様………何者だ…………?」
奴は仮面越しからでも分かるほどに訝しげに俺を見つめる。
正規の姫矢製ベルト型兵器が7つしかないというのに、銃型デバイスを用いる見覚えのない装備があればそれは多少なりとも驚くわな。
まぁ、トランスフェイサーは言うなれば“疑似”ライダーシステム。
レイザーギアとは全く関係はないのだが。
だが……………
「名乗る気はねぇ。
ただのエージェントだよ。
─────今のところは、な」
名乗ると同時に奴に向ける銃。
…………その瞬間、銃口から火が吹くと同時に第2ラウンドが幕を開けた。
───さて、奴には名乗らなかったがここでこれを読んでいるお前たちには特別に名乗っといてやるよ。
俺は“ジニア”。
見ての通り、ただの兵士だ。
待たせたな、ここからが俺の出番だ。
「よぉ、4号機のマッチョメン」
「…………組織の人間か」
バーナクルアンゲロスが全滅すると、俺は光学迷彩を解除した。
変身こそしていなくとも組織から支給されたアイテムにより、ある程度はそういう力を使える。
辺りを見回してみれば辺りの緑はすっかり赤黒く染まり、薄桃色の肉片があちらこちらに散らばっている。
───なるほど。なかなかの地獄絵図。なかなかの悪趣味だ。
しかしそんなことはどうでもいい。
呆気なく終わらされてしまっても、データ取りにもならねぇ。
気に食わねぇが、仕事をしている素振りだけでも見せておかねぇと。
じゃなきゃ………“俺の計画”にも支障が出るってもんだ。
「そうだな………お前さんのいう通り、俺はお前が打倒を誓う“組織の人間”って奴だ………。
────今のところは、な」
「そうか………だったら…………!」
そういうとフォルスは俺に飛びかかってくる。
簡単に挑発に乗ってくれるが、こうして目の前にやってくるとなかなかの迫力だ。
…………狙い通りだ。
─────遊んでやるよ。
「よっ、と」
「!?」
俺は奴の攻撃を飛び退いて回避すると、奴は一瞬驚いたような素振りを見せた。
…………だろうな。
生身の人間が変身した自分の攻撃を回避してしまえばそりゃ俺だって多少なりとも驚くさ。
そして俺は体勢を立て直すと銃型のアイテムを取り出した。
これが今現在、俺に与えられた力だ。
「…………ッ!貴様………ッ!」
「………怒りに燃えるその眼………解るぜ、お前の気持ち。
俺もお前と同じクチだ……人間の悪意を憎み、そして世界の全てを焼き払っても決して満たされない……憎悪が宿った眼だ」
───気に入った。
俺は恐らくそう思ったんだろうな。
だからこそ俺は今のコイツの実力を見てみたい。
本来ならば戦闘まではする予定ではなかったが…………せっかくだ。
…………“実験”を始めようか。
《Loading………》
俺に支給された銃型のアイテム……『トランスフェイサー』に装填するバッテリー。
『コンパクトシュトローム』と名付けられたこのバッテリーは姫矢の街の経済を支えるエネルギー………リヒトシュトロームが充填されている。
コンパクトシュトロームの装填こそがそのままトランスフェイサーの起動キーとなる訳だ。
「…………鎧装」
《Got it soon………!》
システムの起動と同時に音声認識をさせる。
変身コードは『鎧装(がいそう)』。
『バッテリーの装填』と『音声による変身コードの入力』。
この二段階認証により『変身』が発動するのだ。
赤い光と共に、俺の装甲が銀色の装甲に包まれる。
やがて変身が完了すると、俺の体は銀色をベースに赤いラインが走ったシンプルなスーツに包まれた。
頭部にはヘラクレスオオカブトを模した一本角と緑の単眼。
『ズィルバーン・クーゲル』。
それこそが今の俺の力って訳だ。
「貴様………何者だ…………?」
奴は仮面越しからでも分かるほどに訝しげに俺を見つめる。
正規の姫矢製ベルト型兵器が7つしかないというのに、銃型デバイスを用いる見覚えのない装備があればそれは多少なりとも驚くわな。
まぁ、トランスフェイサーは言うなれば“疑似”ライダーシステム。
レイザーギアとは全く関係はないのだが。
だが……………
「名乗る気はねぇ。
ただのエージェントだよ。
─────今のところは、な」
名乗ると同時に奴に向ける銃。
…………その瞬間、銃口から火が吹くと同時に第2ラウンドが幕を開けた。
───さて、奴には名乗らなかったがここでこれを読んでいるお前たちには特別に名乗っといてやるよ。
俺は“ジニア”。
見ての通り、ただの兵士だ。