Episode.3 EIN

──EIN SIDE──

成る程な。
あの黒いライダーのアイツが生身の女子高生を狙ってた訳が今になってわかった。

こうなるのを知ってたからか。

俺……篠原輝はアイン・ライダーフォームの仮面越しにあの巨大な怪物を見やる。

見れば見るほどグロテスクな姿だ。


確かにあれは人間じゃねぇな。


倒すのに気が引けるのはたしかだけどな。



「ハハッ……よし、まずは第一ラウンド、始めますかぁ!!」


準備運動を終えると俺は姿勢を低くし構える。

すると俺の周りだけ一層風が強くなる。

その風をバックル……アインギアに装着された風車、アインタイフーンへ流しこむ。

簡単に言えば、今の俺は風を取り込む事で自身の身体能力が更に上がっていくって感じだな。

それと同時に、体の周り……特に両腕に風を纏う。



「覚悟しな女子高生。
いや……アンゲロス、か。

悪いな。お前はお前で、生きたいっていう思いはあるんだろうけどな」


怪物化する前の女子高生は俺に助けを求めていた。

元が人間なのか、それとも怪物が人間の心を持ったのかそれとももっと別のナニカなのか………『詳しいことは知らない』が………

………きっとこの子も人を襲いたくて襲ってるわけじゃないんだろう。




「だけど……こうなった以上、見過ごすわけにはいかないんだ。

安心しな、お前のその想いは………

───俺が覚えといてやる。」



だが、どちらにしろ今のこいつは心も体も怪物だ……見逃す訳にはいかない。



俺はアンゲロスに向かい勢いよく跳躍する。
踏み込んだ瞬間に爆風が入り乱れ、滑空し……スネークアンゲロスの元へ現れる。





そして……




「ウオオオオオオオッ!!!!」



風を纏った拳で、スネークアンゲロスを殴り飛ばす。



「さあ、もう一仕事と行くぜ!!!!」
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