Episode.3 EIN

「……は?」

「ここは俺に任せろっていってんだ」


そう言って前に出るアイン。

先ほどの拘束も俺が変身解除されたことで解けてしまったのだろう………が、見るからにボロボロであり、戦える状態ではないのは明らかだ。



「………お前も相当ボロボロに見えるけど?」


「うるせぇ!!誰のせいだと思って………ぐっ………」


先ほど俺がライダーキックを喰らわせたところを押さえてうずくまるアイン。




「………ほら、言わんこっちゃない」


《リヒト!バースト!》


起動させたエクスライザーでリヒトカプセルを読み込ませる。

するとエクスライザーが光の粒子に包まれる。


そして光の粒子をアインに向ければ………






「………!胸の痛みが………」




──どうやら変身しなくても回復能力は使えるようだ。

俺は何をしているのだろうか。

さっきまで殺しあいをしてたのに。
あの一瞬までコイツを殺そうとしてたのに。


この篠原輝も、あの呼道勇騎と同じ顔をしていたからだろうか。


それとも俺はこういう真っ直ぐな奴に憧れていたからだろうか。


それは俺にも分からない。


これは、ただの気まぐれだと思いたい。

あの女子高生の正体を知ったから流石に俺の話を分かってくれるだろうってそんな程度の……。




「これで少しは動けるだろ?」


「あぁ……充分だ」


俺がアインを回復させると、アインは一枚のカードを取り出す。



その瞬間、吹き荒れる風。




「なんだよ………そのカードは………!」


カードから凄まじい力を感じる。

あぁ、こいつ……結局他にも隠し玉持ってたってのかよ………!
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