Episode.3 EIN

《リヒト!バースト!》


「うおぉぉぉぉぉ!!」


リヒトカプセルをエクスライザーで読み込ませると地面を蹴り一気に距離を詰める。

そしてエクスライザーをヴァルツクローに変形させ突きを放つ。



──だが、ヴァルツクローの切っ先はスネークアンゲロスには届かなかった。



「なっ!?

………ぐっ!!」


何かが横腹に命中し、俺の体は地面に叩きつけられる。

それが奴の尻尾だとわかったのはそのすぐ後だった。



「がはっ………くそっ………!」


立ち上がるも膝をついてしまう。

鈍い痛みと共に吐血し、バイザー内のモニターを汚してしまう。
どうやら内臓をやられたらしい。

赤く染まったバイザー内ではダメージコントロールが実施され、被害状況がリアルタイムで表示される。


損傷率は51パーセント。


たった一撃でこのダメージか………。
育ってるだけあって手強いな。


だけど、敵はこちらが息を整えるのを待ってはくれない。



「ーーーーーーーーーーーー!!!」


スネークアンゲロスは翼をはためかせ竜巻を起こす。



「「「「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」


俺は咄嗟にヴァルツクローを地面に突き刺し踏ん張るも耐えきれずに、孟と亨多、それから拘束したアインもろとも吹っ飛ばされてしまう。

やがて勢いよく壁に激突し、変身が解除されてしまった。



「くっ………まだだ………!」


地面に崩れ落ちるが、立ち上がり再びエクスライザーを起動させる。

しかし………



「……お前は下がってな」


背後から声が聞こえてくる。

振り返るとそこにはアインがいる。


さっきまで俺と殺しあいをしていた男がなんで俺を助けるんだよ?


俺はアインを……篠原輝を訝しげに見た。
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