Episode.3 EIN

「………さぁ、覚悟しろ…………!」


《ヴァルツクロー!》


エクスライザーを取り出しヴァルツクローに変形させる。


「やだ………来ないで!」


女子高生はバッグを投げ抵抗するが、投げられたバッグをヴァルツクローで切り裂く。

すると切り裂かれたバッグの中身が飛び散り、紙切れがあたり一面に舞う。


その隙に女子高生は駆け出す。



「ちっ………!死体の分際で……!!」


舞い散った紙切れを手で払いつつ、女子高生を追いかける。

アンゲロスといえど人間態なら身体能力は常人並みだ。

ライダーの力を持ってすればすぐに追いつくことが出来る。

俺は勢いよく地面を蹴り飛び上がると女子高生を飛び越え、彼女の眼前に降り立つ。




「きゃっ!」


慌てて引き返そうとする女子高生だったが彼女の背後には孟と亨多の2人が。

こうして女子高生を追い詰めることに成功した。



「今度こそ覚悟しろよ………!」


「っ!!」


ヴァルツクローを構えると、勢いよく振り下ろす。

しかし………



「オラァッ!!」


………背中に走る衝撃。

アーマー越しのため痛みこそないものの、体制を崩してしまい、空振りしてしまう。

振り返ったその先にいたのは………



「………オイオイ、女子高生相手に3人がかりってのは頂けねぇな。

お前ら、それでも男か?あぁ?」


めんどくさい奴が出てきたもんだ、

俺と同い歳くらいの男だった。

ソイツの腰には変身ベルトのようなものが巻かれている。




「なんだお前………」


ヴァルツクローを構え直し、少年を睨み問う。

わざわざヒーローの真似事をしてこんなベルトを巻いて俺たちに喧嘩を売ろうなんて馬鹿な真似をする奴はいないだろう。

それに勇騎さんほどじゃないにしても場を圧倒する気迫で分かる。


こいつは本物の仮面ライダーだと。



すぅ……と息を吸うと少年は名乗りを上げた。






「アカコー1年!篠原 輝(しのはら あきら)!

通りすがりの仮面ライダーだ!覚えとけ!」
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