Episode.2 RIVEL

──CROSS SIDE──


「やれやれ………随分と派手にやってくれたなぁ」


ビルの屋上から荒れ果てた街を見下ろす。

視線の先には先ほどまで巨大な怪物と戦っていた2人の戦士がいた。


今は変身解除しているけど確か……ヴァルツとリベルだっけか。




「……2人ともなかなかの実力じゃないか」


ヴァルツはパワーに優れ、リベルは戦いの立ち回りに優れている。

言うなれば力のヴァルツ、技のリベルといったところか。

まるで“あの先輩方”を見ているみたいだ。


特にあのヴァルツの方はまだまだ伸びるだろうな。


それこそ、『新世代のライダーの王』になれるだろうな。


だが───。


「………まだまだ詰めが甘ぇよ、ふたりとも」


背後に殺気を感じ振り返る。

そこにいたのは北京ダックのような頭部を持つ怪物、『バグスターウイルス』。

数は10体。先ほどの怪物が呼び出した奴の生き残りだろうか。

それとも………


俺はライダーの力を内包したアンプル、『ライダーアンプル』を2つ取り出すと腰に巻かれた『クロスドライバー』に装填していく。



「1号さん!」


《仮面ライダー1号》


「ダブルさん!」


《仮面ライダーW》


「風の力、お借りしますッ!変身!!」


《クロスライド ダブルサイクロン》


側部のレバーを引くとバックルに黄緑と黒のエネルギーがバックルで融合され、1つの風車へと変化し高速回転する。

そして、音声が鳴ると同時に黒と緑の風が俺の体を包む。


そして現れたのは、



黄緑の右半身と黒の左半身。
胸部に刻まれた二大ライダーのライダーズクレスト。
銀色の具足に銀色の手甲。
そして赤いマフラーが炎のように揺らめいている。


………おっとそろそろ自己紹介しないとな。

俺は赤津 将(あかつ しょう)。またの名を仮面ライダークロス。


見ての通り、ただの風来坊さ。


(続く)
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