Episode.2 RIVEL

「どうだ!?」


着地し炎を見遣る。

炎の中では半透明の50mほどの白い怪物と、赤い実寸大の怪人の2体がエクスマキナから抜け出そうと蠢いている姿が。

この2体エクスマキナの合成元になった怪人たちだろう。

よくよく見てみれば2体の怪人が抜け出そうとしているエクスマキナの体には紫電が走っている。
エクスマキナ本体を含めた三体の怪人はどうやら自由に行動できないようだ。



「ぐっ………何が起こったぁぁぁぁぁ………!?」

その瞬間、赤い怪人が糸が切れた人形のように崩れ落ちると、その体は光の粒子になって消えていく。
それと同時にエクスマキナの体がモノクロになったかのように色を失っていく。




「成功だ………!」


自由に動けないエクスマキナを見てレベル1のエグゼイドが呟く。



「勇騎さん………これって…………」


「エグゼイドレベル1にはな、バグスターを強制的に分離させる機能が搭載されてるんだ。

そしてあいつは合体にバグスター………ゲムデウスマキナを使った。

つまり、あの怪物………エクスマキナは半分はバグスターなわけだ。

だから、もしかしたらエグゼイドレベル1でゲムデウスマキナを分離できるんじゃないかってな」


なにが起こったかわからない俺に種明かしするレベル1エグゼイド、もとい勇騎さん。

……うん、何言ってるかわかんね。
『分離』だとか『バグスター』だとか言われてもその因果関係がイマイチわかんねぇから。



「……詳しくは分からないけど、そのエクスライザーってのは怪人の力を合体させることで強力な力を発揮する反面、怪人の力を合体させることを前提に設計されたシステムらしいな………ゲムデウスが分離されたことでエラーが起きてるみたいだぜ?」



なるほど………とにかく他の世界の怪人のかとは後から聞くとして。
勇騎さんはこれを狙ってちんちくりんな姿のレベル1になったわけだ。

まさにシステムの穴を突いた戦略といったところか。




「さぁ、これでもうアンタの負けだ。降参するんだな」


「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


自由に動けない怪物……否、来栖さんに降参するようにいうレベル1エグゼイド。

するとモノクロのエクスマキナが咆哮し、火球を放つ。

どうやら身動きは取れなくても、動く必要のない攻撃なら出来るようだ。



「悪あがきはそこまでだ………!」


《SET UP!》


《オーバーロード!オーミネーション!!》


電子音と共に無数に無数の光がレベル1エグゼイドに集まる。

そして巨大なダイヤモンドの様相を体したそれが火球を防ぎきってしまう。

やがて眩い光と共にダイヤモンドが弾けとび一本角がトレードマークのエグゼイドとはまた違う純白のライダーが現れた。
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