「ところで勇騎さん、そちらの2人は？」


「あぁ……こいつは椿 勝利」


「………椿 勝利です、よろしく」


勇騎さんに紹介され、自己紹介する。




「ボクは村瀬 理緒(むらせ りお)。よろしくね！」


すると彼女……『村瀬 理緒』は自己紹介をすると手を差し出し握手を求めてくる。

今時珍しいフレンドリーな奴とか思いながらも俺も握手に応じると、手を離してノエルの方を見る。

ノエルは俺の背中に隠れるようにして俺にしがみついていた。


どうやら人見知りしているらしい。




「そしてこの子がノエル・ロックディールだ」


「ノエル……この子が……

あ、よろしくね！」


ノエルにも握手を求める理緒。

しかしノエルはというと俺にしがみついたまま動こうとしない。




「どしたの？怖くないよー？」


「あはは、緊張してるみたいだね………」


正直言おう。こうしてノエルと密着できてることが内心ちょっと嬉しかったり。


思わずニヤけてしまう。





「それにしてもノエルちゃんをよく連れて来られたね、勇騎さん。あ、勝利くんがいたからか」


「っ!ばっ………余計なこと言わなくていいんだよ！」


理緒の一言に慌てふためく勇騎さん。

是非とも詳しく聞きたいものである。



「どういうことなのさ？」

「童貞なのか知らないけど勇騎さんってば女の子苦手で………」


説明しながら理緒は勇騎さんに抱きつく。






すると…………





「ーーーーーーー！！！」


なんと勇騎さん、顔を真っ赤にしながら卒倒したではないか。



「……ご覧の通りさ。こうなったらしばらくは起きないよ」


「よくそれでノエルを攫おうだなんて考えたな！！」



うん、こればかりは突っ込まずにはいられない。
俺がいなかったらこの人本当にどうするつもりだったんだろうか？



だけど………ニシシ。いいこと聞いた。


これでこのスカした野郎の弱みを握った。



理緒ちゃん……ありがとう、そしてありがとう！