Episode.12 REPOSE
「で、どうすんだ?まだ続けるか?」
返事が帰ってくることは期待していなかった。
気を失った奴に語りかけるように独り言を呟く。
すると、俺の言葉に反応するかのように奴の頭を押さえつけていた俺の腕を押し返さんとばかりに力が籠るのがわかった。
どうやら奴は目を覚ましたらしい。
「あ?」
「っ……!ざ……ざけん……な……!」
腐ってもディロードも世界の核となるライダー。
そこら辺の有象無象とは違うというわけか。
立ち上がろうと必死に頭に力を込め起き上がろうとしているが、俺もこんな奴に時間をかけている暇はない。
奴が起き上がれないように自身の腕に力を込めた。
「うっ……!
お楽しみは……これからだろうがァ!」
俺の腕を押し返す力が一段と強まると奴はオーロラカーテンを展開。
そのオーロラカーテンは奴が落としたライドブッカーを飲み込んだ。
「セアァァァッ!!」
「ちっ……!」
俺の体の前に現れるオーロラカーテン。
そこから転送されたライドブッカーが勢いよく飛び出し俺の胸部装甲を突いた。
硬い金属同士がぶつかりあい、火花が飛び散る。
大したダメージではなかったが、俺は崩れた体勢を立て直すため、奴の体の上から離れた。
ディロードはそのまま転送されたライドブッカーを握り直し、ブックモードへと変形させた。
なるほど。中々器用なマネをするじゃないか。
「俺を本気にさせたこと後悔させてやる!」
《FINAL KAMEN RIDE……EX-AID!》
《ハイパーームテキ!エグゼーーーーイド!!》
取り出したライダーカードを展開したドライバーに装填。
サイドハンドルを閉じた。
すると奴の体はベルトだけを残して姿を変えた。
その姿は黄金の輝きを纏った無敵のエグゼイド……ムテキゲーマー。
永遠の輝きを放ち、決して錆び付いたり傷ついたりしない不変の象徴たる黄金。
その黄金の鎧を身にまとったエグゼイドは名前の通り『無敵』の力を持つ。
こちらの攻撃を一切受け付けないというシンプルかつ非常に強力な能力だ。
当然今の俺の攻撃も受け付けない。
…………まぁ、エグゼイドの力を使えるのなら絶対に使うよな。想像通りだ。
「そうかい。倒せるといいな」
「そう言ってられるのも今のうちだ!」
奴……カメンライドしたのだから名前は『ディロードエグゼイド・ムテキゲーマー』だろうか……はライドブッカーを構えると、全身から黄金の粒子『スパーキングリッター』を放出。
その効果により自らの身体能力を上昇させるとショートワープにより距離を詰めてきた。
「せぁぁぁぁっ!!」
金色の鎧を纏うディロードエグゼイドが放つ素人丸出しのステレオパンチ。
しかし、その拳の威力はスパーキングリッターの効果により、通常時の128tから更に強化され256tに及ぶ。
流石にここまでくればベーシックフェイズのヴァルツのスペックをも上回っている。
何者の攻撃をも寄せ付けない無敵のボディから放たれる規格外の破壊力の打撃。
素人でもこれさえ使えば大体は勝てる。
少なくとも負けはしないだろう。
前に記録映像で見たが、確か勝利のバカが変身するヴァルツが呼道勇騎の変身するムテキゲーマーと戦った時、勝利のバカは手も足も出なかった。
当然だ。奴はその攻略法を知らなかったし対抗手段も持ち合わせてなかったからな。
《ドゥンケル!バースト!》
だが……俺は違う。
ムテキの力にモノを言わせてゴリ押しする連中とは何度も戦ってきた。
どいつもこいつも同じような手で来るもんだから対処法のひとつやふたつは知っている。
まずはドゥンケルカプセルの力を解放し、左手の装甲に黒いエネルギー体を纏わせた。
ヴァルツの装甲は任意のタイミングで振動させることでその防御力を劇的に向上させることが出来る。
そこに黒いエネルギー体を纏わせることで更に防御力を底上げした。
だが、それだけではムテキの拳を対処することは不可能。
防御力を底上げした装甲で攻撃を真正面から受ける訳では無い。
俺は黒いエネルギーを纏った左手の装甲を振動させ、相手の拳を受け流した。
「なにっ!?」
戸惑う相手をよそに相手の運動の勢いを利用し、体落にて相手の体を地面に叩きつける。
当然ムテキの力により奴のダメージはない。
だが攻撃の衝撃は受ける。
攻撃を受ければ吹き飛ばされるし、こうして投げ飛ばすことは出来る。
「すぐに終わらせてやるよ……!」
《HAZARD EXTENDER!》
奴を投げ飛ばすと、ハザードエクステンダーを取り出し起動。
《UNLOCK HAZARD……EX-AID!MUTEKI GAMER!》
怪人や仮面ライダーの力を擬似的に解放し自身の体に宿すことができるのがハザードエクステンダーの強みだ。
そして今回解放するのはムテキゲーマーの力。
それは自身がムテキの力を宿すことを目的としている訳では無く……
「そらよっ……!」
「っ!?」
黒いエネルギーを右足に纏わせると奴を蹴り飛ばす。
グシャリという鈍い音が響くとディロードエグゼイドの体は吹っ飛ばされていく。
「ガハッ……!?」
数度地面に叩きつけられ壁に激突すると、地面に崩れ落ちた。
ディロードエグゼイドはなんとか起き上がろうとするも、深刻なダメージを負っているのか立ち上がれずにいる。
ムテキの力を宿すムテキゲーマーの姿になっているにも関わらずに。
「な、なんで……!?ムテキの力が無力化されている……!?」
「やっぱ知らなかったんだな……」
──これがシンプルながらも最も効果的なムテキの力への対策。
エグゼイド・ムテキゲーマーは全身に装着された『EXムテキアーマー』、肩部の『スパーキングショルダー』の機能によりあらゆる攻撃やあらゆる特殊能力を遮断することが出来る。
だが、そこには1つ落とし穴がある。
同じムテキの力を宿したものの攻撃は防ぐことが出来ず、互いが弱点となり得ることだ。
故に同じようにムテキの力を宿したゲムデウスムテキがムテキゲーマーへダメージを与えることが出来たのだ。
俺はハイパームテキのゲームエリア、またはムテキの力そのものが互いに干渉し合うことでムテキの力が中和され、その結果ダメージが通るようになると踏んでいる。
それもあってかハイパームテキガシャットを開発した檀黎斗はハイパームテキを仮面ライダークロノス攻略の切り札としつつも量産をしなかったのだろう。
複数のムテキの力で切り札足り得るムテキの力そのものが無力化されるのなら量産したところで意味が無いからな。
だが、エグゼイド・ムテキゲーマーが他のムテキの力を宿した戦士と戦ったという事例が少なすぎるせいか意外にもこの事実は知られていない。
だからこそ初見殺しにはなるが、この戦法は有効となり得るのだ。
「残念だが、今現実として起こってることが全てだ。
そのまま黙って消えるんだな……!」
《一撃必殺!》
──しかし“初見殺し”で十分だ。
生きるか死ぬか。
極限の状況下での命のやり取りが行われる戦場において2度目などない。
知識も力も劣り、運からも見放されたものには死、あるのみ。
それが戦場での唯一のルールであり無味乾燥の現実。
「……絶望への筋道(ルート)は、確定した」
ヴァルツスパローの弦を引き絞り、奴に照準を合わせる。
度重なる攻撃を受け、もう奴は虫の息。
完全無敵の防御という意味でのムテキの力は中和されているが、互いの力が弱点となる以上こちらの攻撃力も結果的に上昇している。
特に恨みはないが仮面ライダーの力を手放ないというのなら……浅はかな考えでその力を振るい続けるなら、慈悲などくれてやる理由などない。
「これで、ジ・エンドだ……!」
《モノクロックバースト!》
放たれた光の矢。
それは眼前の獲物への毒牙としてのムテキの力を内包し、金色の輝きを放ちながらその牙を剥いた。
ディロードエグゼイドの装甲を穿つと金色の煌めきと共に数十発分の衝撃が時間差で炸裂し奴の装甲を砕いていく。
《ᕼIT!ᕼIT!ᕼIT!GREAT!PERFECT!!》
《ぷくく……。完全勝利、ですっ♪》
「クソがァァァァァァァァァァァァァ!!!」
金色の鎧を身にまとった偽りの戦士は、己と同等の力を前に為す術もなく敗北。
金色の煌めきを夜空に撒き散らしながら爆発四散し、虚空へと消えていったのだ。
返事が帰ってくることは期待していなかった。
気を失った奴に語りかけるように独り言を呟く。
すると、俺の言葉に反応するかのように奴の頭を押さえつけていた俺の腕を押し返さんとばかりに力が籠るのがわかった。
どうやら奴は目を覚ましたらしい。
「あ?」
「っ……!ざ……ざけん……な……!」
腐ってもディロードも世界の核となるライダー。
そこら辺の有象無象とは違うというわけか。
立ち上がろうと必死に頭に力を込め起き上がろうとしているが、俺もこんな奴に時間をかけている暇はない。
奴が起き上がれないように自身の腕に力を込めた。
「うっ……!
お楽しみは……これからだろうがァ!」
俺の腕を押し返す力が一段と強まると奴はオーロラカーテンを展開。
そのオーロラカーテンは奴が落としたライドブッカーを飲み込んだ。
「セアァァァッ!!」
「ちっ……!」
俺の体の前に現れるオーロラカーテン。
そこから転送されたライドブッカーが勢いよく飛び出し俺の胸部装甲を突いた。
硬い金属同士がぶつかりあい、火花が飛び散る。
大したダメージではなかったが、俺は崩れた体勢を立て直すため、奴の体の上から離れた。
ディロードはそのまま転送されたライドブッカーを握り直し、ブックモードへと変形させた。
なるほど。中々器用なマネをするじゃないか。
「俺を本気にさせたこと後悔させてやる!」
《FINAL KAMEN RIDE……EX-AID!》
《ハイパーームテキ!エグゼーーーーイド!!》
取り出したライダーカードを展開したドライバーに装填。
サイドハンドルを閉じた。
すると奴の体はベルトだけを残して姿を変えた。
その姿は黄金の輝きを纏った無敵のエグゼイド……ムテキゲーマー。
永遠の輝きを放ち、決して錆び付いたり傷ついたりしない不変の象徴たる黄金。
その黄金の鎧を身にまとったエグゼイドは名前の通り『無敵』の力を持つ。
こちらの攻撃を一切受け付けないというシンプルかつ非常に強力な能力だ。
当然今の俺の攻撃も受け付けない。
…………まぁ、エグゼイドの力を使えるのなら絶対に使うよな。想像通りだ。
「そうかい。倒せるといいな」
「そう言ってられるのも今のうちだ!」
奴……カメンライドしたのだから名前は『ディロードエグゼイド・ムテキゲーマー』だろうか……はライドブッカーを構えると、全身から黄金の粒子『スパーキングリッター』を放出。
その効果により自らの身体能力を上昇させるとショートワープにより距離を詰めてきた。
「せぁぁぁぁっ!!」
金色の鎧を纏うディロードエグゼイドが放つ素人丸出しのステレオパンチ。
しかし、その拳の威力はスパーキングリッターの効果により、通常時の128tから更に強化され256tに及ぶ。
流石にここまでくればベーシックフェイズのヴァルツのスペックをも上回っている。
何者の攻撃をも寄せ付けない無敵のボディから放たれる規格外の破壊力の打撃。
素人でもこれさえ使えば大体は勝てる。
少なくとも負けはしないだろう。
前に記録映像で見たが、確か勝利のバカが変身するヴァルツが呼道勇騎の変身するムテキゲーマーと戦った時、勝利のバカは手も足も出なかった。
当然だ。奴はその攻略法を知らなかったし対抗手段も持ち合わせてなかったからな。
《ドゥンケル!バースト!》
だが……俺は違う。
ムテキの力にモノを言わせてゴリ押しする連中とは何度も戦ってきた。
どいつもこいつも同じような手で来るもんだから対処法のひとつやふたつは知っている。
まずはドゥンケルカプセルの力を解放し、左手の装甲に黒いエネルギー体を纏わせた。
ヴァルツの装甲は任意のタイミングで振動させることでその防御力を劇的に向上させることが出来る。
そこに黒いエネルギー体を纏わせることで更に防御力を底上げした。
だが、それだけではムテキの拳を対処することは不可能。
防御力を底上げした装甲で攻撃を真正面から受ける訳では無い。
俺は黒いエネルギーを纏った左手の装甲を振動させ、相手の拳を受け流した。
「なにっ!?」
戸惑う相手をよそに相手の運動の勢いを利用し、体落にて相手の体を地面に叩きつける。
当然ムテキの力により奴のダメージはない。
だが攻撃の衝撃は受ける。
攻撃を受ければ吹き飛ばされるし、こうして投げ飛ばすことは出来る。
「すぐに終わらせてやるよ……!」
《HAZARD EXTENDER!》
奴を投げ飛ばすと、ハザードエクステンダーを取り出し起動。
《UNLOCK HAZARD……EX-AID!MUTEKI GAMER!》
怪人や仮面ライダーの力を擬似的に解放し自身の体に宿すことができるのがハザードエクステンダーの強みだ。
そして今回解放するのはムテキゲーマーの力。
それは自身がムテキの力を宿すことを目的としている訳では無く……
「そらよっ……!」
「っ!?」
黒いエネルギーを右足に纏わせると奴を蹴り飛ばす。
グシャリという鈍い音が響くとディロードエグゼイドの体は吹っ飛ばされていく。
「ガハッ……!?」
数度地面に叩きつけられ壁に激突すると、地面に崩れ落ちた。
ディロードエグゼイドはなんとか起き上がろうとするも、深刻なダメージを負っているのか立ち上がれずにいる。
ムテキの力を宿すムテキゲーマーの姿になっているにも関わらずに。
「な、なんで……!?ムテキの力が無力化されている……!?」
「やっぱ知らなかったんだな……」
──これがシンプルながらも最も効果的なムテキの力への対策。
エグゼイド・ムテキゲーマーは全身に装着された『EXムテキアーマー』、肩部の『スパーキングショルダー』の機能によりあらゆる攻撃やあらゆる特殊能力を遮断することが出来る。
だが、そこには1つ落とし穴がある。
同じムテキの力を宿したものの攻撃は防ぐことが出来ず、互いが弱点となり得ることだ。
故に同じようにムテキの力を宿したゲムデウスムテキがムテキゲーマーへダメージを与えることが出来たのだ。
俺はハイパームテキのゲームエリア、またはムテキの力そのものが互いに干渉し合うことでムテキの力が中和され、その結果ダメージが通るようになると踏んでいる。
それもあってかハイパームテキガシャットを開発した檀黎斗はハイパームテキを仮面ライダークロノス攻略の切り札としつつも量産をしなかったのだろう。
複数のムテキの力で切り札足り得るムテキの力そのものが無力化されるのなら量産したところで意味が無いからな。
だが、エグゼイド・ムテキゲーマーが他のムテキの力を宿した戦士と戦ったという事例が少なすぎるせいか意外にもこの事実は知られていない。
だからこそ初見殺しにはなるが、この戦法は有効となり得るのだ。
「残念だが、今現実として起こってることが全てだ。
そのまま黙って消えるんだな……!」
《一撃必殺!》
──しかし“初見殺し”で十分だ。
生きるか死ぬか。
極限の状況下での命のやり取りが行われる戦場において2度目などない。
知識も力も劣り、運からも見放されたものには死、あるのみ。
それが戦場での唯一のルールであり無味乾燥の現実。
「……絶望への筋道(ルート)は、確定した」
ヴァルツスパローの弦を引き絞り、奴に照準を合わせる。
度重なる攻撃を受け、もう奴は虫の息。
完全無敵の防御という意味でのムテキの力は中和されているが、互いの力が弱点となる以上こちらの攻撃力も結果的に上昇している。
特に恨みはないが仮面ライダーの力を手放ないというのなら……浅はかな考えでその力を振るい続けるなら、慈悲などくれてやる理由などない。
「これで、ジ・エンドだ……!」
《モノクロックバースト!》
放たれた光の矢。
それは眼前の獲物への毒牙としてのムテキの力を内包し、金色の輝きを放ちながらその牙を剥いた。
ディロードエグゼイドの装甲を穿つと金色の煌めきと共に数十発分の衝撃が時間差で炸裂し奴の装甲を砕いていく。
《ᕼIT!ᕼIT!ᕼIT!GREAT!PERFECT!!》
《ぷくく……。完全勝利、ですっ♪》
「クソがァァァァァァァァァァァァァ!!!」
金色の鎧を身にまとった偽りの戦士は、己と同等の力を前に為す術もなく敗北。
金色の煌めきを夜空に撒き散らしながら爆発四散し、虚空へと消えていったのだ。
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