Episode.12 REPOSE

「何はともあれ、これでカタはついたな……。

フロース!このまま豚型改造人間の身柄を押さえる!」


「……」


「おいッ!」


少々アクシデントはあったが、エクスキメラの性能もあり戦闘員たちの撃破に成功した。

しかし、あくまでも目的は『豚型改造人間の始末』と『エクスライザーの回収』だ。

私たちはアジトの奥へと急ぐ。
ただしフロースは完全に私を無視して独断で先に進んでいるのだが。



「それにしても……本当にこんな粗末な場所で潜んでたのか……?」


奥へと進みながらふと辺りを見回してみた。

アジトとされる洞窟は崩落防止のための処置以外は自然にできたものをほとんどそのまま使用しているようであり、雨風をしのぐくらいにしか使えないだろう。

明らかにインフラの整っていないこの洞窟で暮らすとなると、やはりその生活は原始時代のようなものになるのだろうか?

現代社会の生活から離れることが出来なかった私にはそんな薄っぺらい想像くらいしか出来ないが、本当に想像通りの生活を送っているのだとしたら恐ろしい執念だ。

人を超えた怪物であろうと、そのベースは人間。
それも現代人だ。
全てが機械に置き換えられている訳ではない。
『怪人』『怪物』と蔑まれた改造人間たちにも人間の生身の部分が残されている。
しかも中途半端に生身の部分を残しているからこそ改造された肉体のメンテナンスを怠ることは出来ない。
実際に組織を裏切りメンテナンスも出来ぬまま死に至った改造人間もいたからな。


「……どうした?」

やがてフロースが足を止めた。
そこはこの洞窟の最深部にして、最も広いであろう空間だ。

驚くほどに何もない。
残されていたのは、何かを乗せる大きな台くらいだ。

ここで何をしていたのかは分からないが、先ほどまでここに改造人間たちがいたのはたしかだ。

その証拠に我々以外の『真新しい足跡』がそこら中に残されている。


「逃げられた……!」

数体の戦闘員を囮として残し、とっくにアジトはもぬけの殻。
首謀者のピッグマンはとっくにこのアジトを破棄していたのだ。

おそらく我々がこのアジトに来ることを察していたからだ。

そして、我々をこの場に誘い込む理由は………



「……まずい……!」

──刹那、地面か揺れる。
エクスキメラに変身していても立ち上がることすら出来ないほどの揺れだ。

それとともに天井や壁に亀裂が走り、細かい破片や砂埃が落ちてくる。


──このままでは洞窟が崩落する!



「サイアク……」


「しまった……これが狙いかァァ!!」


そう。奴らの目的は我々を最深部に誘い込みアジトを崩壊させることで我々を一網打尽にすること。

どうやら私とフロースはまんまと奴らの策略にはめられたようだ。



「クソーーーーーーーッ!
豚野郎がァァァァーーーーーーー!!」


揺れが一段と激しくなると、天井が崩れ落ち、やがて洞窟そのものが崩落する。


そして……私の目の前は真っ暗になった。

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