Episode.11 DESPAIR
「また新しい仮面ライダーか!
一体この世界には何人仮面ライダーがいるんだ!
───マッッ!!」
「っ……同じ手に乗るか!」
目の前に現れた自称風来坊……仮面ライダークロスに呆気にとられたのは最初の数秒だけ。
俺は蜘蛛男の放った糸を視界に捉えれば、クロスの前に飛び出すとトラを思わせる爪を装備すると、飛んできた蜘蛛の糸を切り裂いた。
自分でいうのも何だが、この俺……仮面ライダーアニマルはジェネシスコーポレーションの改造人間の最高傑作の1人。
これまでジェネシスコーポレーションで開発されてきとあらゆる改造人間の長所を掛け合わせて作られた。
ゴリラ型改造人間の腕力。
ウマ型改造人間の持久力。
チーター型改造人間の走力。
タカ型改造人間の優れた視力。
トラ型改造人間の爪……。
それら全ての力が俺ひとりで行使できるのだ。
故に『仮面ライダーアニマル』。
動物型改造人間の王であり、ジェネシスコーポレーションの象徴となる最強の改造人間となるはずだった。
更には『バッタ型改造人間こそが最強の改造人間』という一種の改造人間信仰や仮面ライダー信仰とも言える思考が反映され、バッタ型改造人間の脚力すら引き継いでいる。
「調子に乗るなよ!マッッ!!」
それでも蜘蛛男の追撃が止むことはない。
俺は『超えるべき壁』であり、特に他の動物型改造人間からしたら『アイデンティティを奪う存在』として憎まれている。
そして……それはたとえ組織が壊滅しようとも変わらなかった。
蜘蛛男は唯一の武器と言ってもいい蜘蛛の糸を飛ばす。
俺とクロスはそれぞれ反対側に飛び退き、それを回避。
飛び退いた先には戦闘員たちが先回りしており、それぞれが一糸乱れぬ動きで俺たちに切りかかる。
「やべっ、意外と数多いな……。
……オイ、アンタ!とりあえず協力して切り抜けるぞ!」
「おう!」
戦闘員一体一体の力はタカが知れている。
しかし数は多く一体ずつ捌くのは骨が折れるというものだ。
何とか打開策を……と思っていたところにクロスが共闘を申し出てきた。
勝利の仲間というなら当然断る理由はない。
俺は共闘に応じるとベルトに力を込めた。
するとベルトから光の奔流が溢れだし、改造人間としての俺の体をより潜在能力を引き出してくれる屈強な体へと作り替えていく。
ベルトから放たれた光は魔法の力といったファンタジー染みたものではない。
ベルトから放出されている光の正体は大量のナノマシン。
ベルトに仕込まれたナノマシンの一体一体が限界を超えて稼働することでナノマシン自体が白熱し、それが光の奔流のように見えるというわけだ。
やがてナノマシンが俺の体の“再改造”を終えると、俺の体……仮面ライダーアニマルは新たな姿へと変化していた。
通常形態の仮面ライダーアニマルと同様、ライオンを思わせる頭部は健在。
しかし、ライダースーツを着こんだものではなく、ベースとなるインナースーツに鎧を装着したものへと変化した。
そう、『改造人間の仮面ライダー』から『ライダーシステムで変身する仮面ライダー』へ……まさに昭和ライダーから平成ライダーへの変遷を思わせるような進化となった。
肩と胸部、腕部にはゴリラの腕を思わせる巨大な装甲。
更に腕部の装甲を覆うようにトラやクマを思わせる巨大な鍵爪が取り付けられている。
脚部は馬の脚を思わせる強靭な筋肉をバッタの脚を思わせる緑の装甲が覆う。
両のすねにはバッタの脚を思わせる装置が搭載されている。
頭部は引き続きライオンの鬣を思わせる装飾が施されたメットだが、それをタカを思わせる追加装甲とバイザーがを覆っている。
これが以前勝利との共闘で見せた究極のアニマル……アルティメットアニマルに至る過程でたどり着いた俺の強化形態。
──『仮面ライダーアニマル・スーパーフォーム』である。
「来い!アニマルロッド!」
俺の手からナノマシンが放出されると棍棒型の武装が形作られる。
先端にはライオンの頭部を思わせる装飾が施されている。
スーパーフォームになることで仮面ライダーアニマルは専用武器『アニマルロッド』を使えるようになるのだ。
「おぉ……すげぇな……。
俺も負けてらんねぇ……!」
俺の強化変身を見届けたクロスも、感化されてかアンプルのような機械を二枚取り出した。
その間にも戦闘員たちが一子乱れぬコンビネーションでクロスに迫る。
しかし、それらを回避すると……
「オーズさん!」
《仮面ライダーオーズ!》
「アマゾンオメガさん!」
《仮面ライダーアマゾンオメガ!》
「荒ぶる力!お借りします!!」
《クロスライド!バイオレントドゥーム!》
アンプルを2本ベルトに装填し、レバーを引く。
その瞬間緑の炎にクロスが包まれ、発生した衝撃波により戦闘員たちが吹き飛ばされていく。
炎が止んだ瞬間、姿を現したのは……
つり上がった複眼。
緑と黒のインナースーツ。
紫の恐竜を思わせる装甲。
そして赤い全身の斑模様。
胸部は先ほどの姿同様ふたりのライダーのライダーズクレストが刻まれている。
「仮面ライダークロス……バイトレントドゥーム……!
さぁ……荒ぶる力、味わいな」
新たな姿、『バイオレントドゥーム』に変身したクロス。
この荒ぶる力とやらで戦闘員や蜘蛛男を蹂躙するのだろう。
だが、今は迷ってる時間なんてない。
簡単には割り切れはしないが、俺が迷ってる間にもあの巨大な怪物と戦っている勝利たちが危険に晒されているんだ。
この街の人たちだって……。
だから今は戦う。
───考えるのは、その後だ。
一体この世界には何人仮面ライダーがいるんだ!
───マッッ!!」
「っ……同じ手に乗るか!」
目の前に現れた自称風来坊……仮面ライダークロスに呆気にとられたのは最初の数秒だけ。
俺は蜘蛛男の放った糸を視界に捉えれば、クロスの前に飛び出すとトラを思わせる爪を装備すると、飛んできた蜘蛛の糸を切り裂いた。
自分でいうのも何だが、この俺……仮面ライダーアニマルはジェネシスコーポレーションの改造人間の最高傑作の1人。
これまでジェネシスコーポレーションで開発されてきとあらゆる改造人間の長所を掛け合わせて作られた。
ゴリラ型改造人間の腕力。
ウマ型改造人間の持久力。
チーター型改造人間の走力。
タカ型改造人間の優れた視力。
トラ型改造人間の爪……。
それら全ての力が俺ひとりで行使できるのだ。
故に『仮面ライダーアニマル』。
動物型改造人間の王であり、ジェネシスコーポレーションの象徴となる最強の改造人間となるはずだった。
更には『バッタ型改造人間こそが最強の改造人間』という一種の改造人間信仰や仮面ライダー信仰とも言える思考が反映され、バッタ型改造人間の脚力すら引き継いでいる。
「調子に乗るなよ!マッッ!!」
それでも蜘蛛男の追撃が止むことはない。
俺は『超えるべき壁』であり、特に他の動物型改造人間からしたら『アイデンティティを奪う存在』として憎まれている。
そして……それはたとえ組織が壊滅しようとも変わらなかった。
蜘蛛男は唯一の武器と言ってもいい蜘蛛の糸を飛ばす。
俺とクロスはそれぞれ反対側に飛び退き、それを回避。
飛び退いた先には戦闘員たちが先回りしており、それぞれが一糸乱れぬ動きで俺たちに切りかかる。
「やべっ、意外と数多いな……。
……オイ、アンタ!とりあえず協力して切り抜けるぞ!」
「おう!」
戦闘員一体一体の力はタカが知れている。
しかし数は多く一体ずつ捌くのは骨が折れるというものだ。
何とか打開策を……と思っていたところにクロスが共闘を申し出てきた。
勝利の仲間というなら当然断る理由はない。
俺は共闘に応じるとベルトに力を込めた。
するとベルトから光の奔流が溢れだし、改造人間としての俺の体をより潜在能力を引き出してくれる屈強な体へと作り替えていく。
ベルトから放たれた光は魔法の力といったファンタジー染みたものではない。
ベルトから放出されている光の正体は大量のナノマシン。
ベルトに仕込まれたナノマシンの一体一体が限界を超えて稼働することでナノマシン自体が白熱し、それが光の奔流のように見えるというわけだ。
やがてナノマシンが俺の体の“再改造”を終えると、俺の体……仮面ライダーアニマルは新たな姿へと変化していた。
通常形態の仮面ライダーアニマルと同様、ライオンを思わせる頭部は健在。
しかし、ライダースーツを着こんだものではなく、ベースとなるインナースーツに鎧を装着したものへと変化した。
そう、『改造人間の仮面ライダー』から『ライダーシステムで変身する仮面ライダー』へ……まさに昭和ライダーから平成ライダーへの変遷を思わせるような進化となった。
肩と胸部、腕部にはゴリラの腕を思わせる巨大な装甲。
更に腕部の装甲を覆うようにトラやクマを思わせる巨大な鍵爪が取り付けられている。
脚部は馬の脚を思わせる強靭な筋肉をバッタの脚を思わせる緑の装甲が覆う。
両のすねにはバッタの脚を思わせる装置が搭載されている。
頭部は引き続きライオンの鬣を思わせる装飾が施されたメットだが、それをタカを思わせる追加装甲とバイザーがを覆っている。
これが以前勝利との共闘で見せた究極のアニマル……アルティメットアニマルに至る過程でたどり着いた俺の強化形態。
──『仮面ライダーアニマル・スーパーフォーム』である。
「来い!アニマルロッド!」
俺の手からナノマシンが放出されると棍棒型の武装が形作られる。
先端にはライオンの頭部を思わせる装飾が施されている。
スーパーフォームになることで仮面ライダーアニマルは専用武器『アニマルロッド』を使えるようになるのだ。
「おぉ……すげぇな……。
俺も負けてらんねぇ……!」
俺の強化変身を見届けたクロスも、感化されてかアンプルのような機械を二枚取り出した。
その間にも戦闘員たちが一子乱れぬコンビネーションでクロスに迫る。
しかし、それらを回避すると……
「オーズさん!」
《仮面ライダーオーズ!》
「アマゾンオメガさん!」
《仮面ライダーアマゾンオメガ!》
「荒ぶる力!お借りします!!」
《クロスライド!バイオレントドゥーム!》
アンプルを2本ベルトに装填し、レバーを引く。
その瞬間緑の炎にクロスが包まれ、発生した衝撃波により戦闘員たちが吹き飛ばされていく。
炎が止んだ瞬間、姿を現したのは……
つり上がった複眼。
緑と黒のインナースーツ。
紫の恐竜を思わせる装甲。
そして赤い全身の斑模様。
胸部は先ほどの姿同様ふたりのライダーのライダーズクレストが刻まれている。
「仮面ライダークロス……バイトレントドゥーム……!
さぁ……荒ぶる力、味わいな」
新たな姿、『バイオレントドゥーム』に変身したクロス。
この荒ぶる力とやらで戦闘員や蜘蛛男を蹂躙するのだろう。
だが、今は迷ってる時間なんてない。
簡単には割り切れはしないが、俺が迷ってる間にもあの巨大な怪物と戦っている勝利たちが危険に晒されているんだ。
この街の人たちだって……。
だから今は戦う。
───考えるのは、その後だ。