Episode.11 DESPAIR
「なんか思い付いたの!?」
「あぁ!
毅さん!このまま奴をこないだの採石場に誘導する!
ここから一番近いからな!」
ローズの言葉に頷くと俺はミサイルを避けつつアニマルに近づく。
目指す場所は先ほどから変わらず、採石場。
しかし、その目的はただの時間稼ぎではない。
強引な手にはなるが、俺たちだけでどうにかすることが可能なはずだ。
「アルティメットアニマルいけるか!?」
「あ、アルティメット……?
そうか……!わかった、任せろ!」
アニマルは俺の言葉の意図を察したように頷く。
そう。キングダークを採石場へ誘導してからはアニマルがこの作戦のメインとなる。
アニマルの最強形態「アルティメットアニマル」には『時空を歪ませる力』がある。
過去の毅さんが元の時代に帰る時に使った能力だ。
俺はまだその能力を過去の毅さんを見送った時くらいしか見ていないが、恐らくそれはアルティメットアニマルの固有能力のひとつであり、攻撃にも転用が可能だ。
今回はそれを応用し、アルティメットアニマルがワームホールを形成し、俺たち三人でキングダークをワームホールに叩き込み、そのまま次元の狭間へと追放する。
これは勇騎さんや将さんではなく、最初に毅さんが助けに来たからこそ可能となった作戦。
当然だが、それは姫矢市の街中でやるにはリスクが高すぎる作戦だ。
40メートル超えの巨大サイズの相手を飲み込むほど時空の歪みともなれば市街地にどんな被害をもたらすか未知数。
だからこそ被害を最小限にするべく、キングダークを郊外の採石場まで誘導しなければならない。
成功するかも分からない作戦だが、なにもしないよりはマシだ。
しかし……現実はそんなに甘くはなかった。
「マァァァ~~~アァァァァ~~~!!」
「え………ウヴォアァァ!?」
「毅さん!?」
突如目の前を何かが遮ったと思ったら、アニマルがバイクから転げ落ち、地面を転がった。
乗り手がいなくなったバイクが勢いよく横転し、歩道へと投げ出される。
あの珍妙な雄叫びは聞いたことがある。
ていうか一回聞いてしまったらなかなか忘れられない。
俺は再びバイクを止めると毅さんの方を一瞥した。
そこにいたのは、赤と青の蜘蛛を模した改造人間。
どうやらアイツが蜘蛛の糸を使って、アニマルにターザンキックを叩き込んだのだ。
そう……この洋画に出てきそうな蜘蛛男は…………
「情け無用の男ッ!スパイダーマッッ!!」
ジェネシスコーポレーションの蜘蛛型改造人間、マーベルのアイツじゃなくてスパイダーマッ。
どうやら戦闘員にトラックで雑に運ばれた後、傷を癒していたようだ。
「何でこんなときに限って来るんだよバカ野郎………!」
「勝利!こっちはいい!!」
アニマルの援護にまわるべくバイクから降りようとした俺をアニマルが制止する。
こんなことをしている合間にもキングダークは迫っている。
採石場まで後もう少し。
だけど、そもそも毅さんがいなければこの作戦は成り立たない。
「でも!」
「いいから行ってくれ!どのみちあのデカブツを誘導しなきゃならないんだ!
俺もすぐに追い付く!」
「………わかった!!」
──そうだ。
ここで俺が頭に血が登ってキングダークの誘導をやめたらそれこそキングダークに街を蹂躙されてしまう。
それに、毅さんは強い。
あの蜘蛛男ひとりに負ける男ではないことを俺は知っている。
アニマルの無事を祈りつつ、俺はローズを乗せて再びバイクを走らせた。
「あぁ!
毅さん!このまま奴をこないだの採石場に誘導する!
ここから一番近いからな!」
ローズの言葉に頷くと俺はミサイルを避けつつアニマルに近づく。
目指す場所は先ほどから変わらず、採石場。
しかし、その目的はただの時間稼ぎではない。
強引な手にはなるが、俺たちだけでどうにかすることが可能なはずだ。
「アルティメットアニマルいけるか!?」
「あ、アルティメット……?
そうか……!わかった、任せろ!」
アニマルは俺の言葉の意図を察したように頷く。
そう。キングダークを採石場へ誘導してからはアニマルがこの作戦のメインとなる。
アニマルの最強形態「アルティメットアニマル」には『時空を歪ませる力』がある。
過去の毅さんが元の時代に帰る時に使った能力だ。
俺はまだその能力を過去の毅さんを見送った時くらいしか見ていないが、恐らくそれはアルティメットアニマルの固有能力のひとつであり、攻撃にも転用が可能だ。
今回はそれを応用し、アルティメットアニマルがワームホールを形成し、俺たち三人でキングダークをワームホールに叩き込み、そのまま次元の狭間へと追放する。
これは勇騎さんや将さんではなく、最初に毅さんが助けに来たからこそ可能となった作戦。
当然だが、それは姫矢市の街中でやるにはリスクが高すぎる作戦だ。
40メートル超えの巨大サイズの相手を飲み込むほど時空の歪みともなれば市街地にどんな被害をもたらすか未知数。
だからこそ被害を最小限にするべく、キングダークを郊外の採石場まで誘導しなければならない。
成功するかも分からない作戦だが、なにもしないよりはマシだ。
しかし……現実はそんなに甘くはなかった。
「マァァァ~~~アァァァァ~~~!!」
「え………ウヴォアァァ!?」
「毅さん!?」
突如目の前を何かが遮ったと思ったら、アニマルがバイクから転げ落ち、地面を転がった。
乗り手がいなくなったバイクが勢いよく横転し、歩道へと投げ出される。
あの珍妙な雄叫びは聞いたことがある。
ていうか一回聞いてしまったらなかなか忘れられない。
俺は再びバイクを止めると毅さんの方を一瞥した。
そこにいたのは、赤と青の蜘蛛を模した改造人間。
どうやらアイツが蜘蛛の糸を使って、アニマルにターザンキックを叩き込んだのだ。
そう……この洋画に出てきそうな蜘蛛男は…………
「情け無用の男ッ!スパイダーマッッ!!」
ジェネシスコーポレーションの蜘蛛型改造人間、マーベルのアイツじゃなくてスパイダーマッ。
どうやら戦闘員にトラックで雑に運ばれた後、傷を癒していたようだ。
「何でこんなときに限って来るんだよバカ野郎………!」
「勝利!こっちはいい!!」
アニマルの援護にまわるべくバイクから降りようとした俺をアニマルが制止する。
こんなことをしている合間にもキングダークは迫っている。
採石場まで後もう少し。
だけど、そもそも毅さんがいなければこの作戦は成り立たない。
「でも!」
「いいから行ってくれ!どのみちあのデカブツを誘導しなきゃならないんだ!
俺もすぐに追い付く!」
「………わかった!!」
──そうだ。
ここで俺が頭に血が登ってキングダークの誘導をやめたらそれこそキングダークに街を蹂躙されてしまう。
それに、毅さんは強い。
あの蜘蛛男ひとりに負ける男ではないことを俺は知っている。
アニマルの無事を祈りつつ、俺はローズを乗せて再びバイクを走らせた。