Episode.11 DESPAIR
「勝利さん、理緒さん!運転は任せてくださいです!」
「「オーケー!」」
《ヴァルツガン!》
《ROSE SHOOTER…….!》
マシンの運転はヒメ……もといカマラーダマーク2のAIに全てを任せることにした。
当然、そうは言ってもマシンから振り落とされないように俺たちも気を付けなくてはならないが、そこはヴァルツのスーツ内のバランサー機能によりハンドルから両手を話しても姿勢を安定させることで対処する。
こうして俺は両手がフリーとなり、エクスライザーを操作。
ヴァルツガンとなったエクスライザーからエネルギー弾を数発、発射する。
そして、俺の後ろではローズが自らの強化された体幹を活かしながら矢を放つ。
無論、これは牽制のためのものだ。
攻撃を浴びせつつ、奴を人気のない場所へと誘導するのだ。
この近くで人気のない場所となると、この間あのレオパルドン擬きと戦った郊外の採石場しかない。
相手もこちらの意図したままに動くとは限らないし、時間もかかるが今はとにかく採石場へと誘導するのが最優先だ。
誘導しつつ、このデカブツを確実に処理する作戦を考える……こんな手くらいしか思い付かない自分の頭の回転の遅さを呪いたくなる。
だが……このデカブツを見て即興で作戦を組み立てて実行し、それを成功させ、確実に奴を始末できる奴なんてまずいないだろうと思う。
俺の知るライダーの中でも戦闘経験を積んだ方である勇騎さんや、将さんすらも流石にそこまでは不可能だろう。
そんな人間離れした芸当が出来るのは、それこそ“あの人”くらいしか………。
こんな時、あの人がいてくれたら………。
「こっちだこっち!」
──いや、今は昔の恩師のことを考えている場合じゃない。
俺やローズの攻撃が当たり、キングダークがこちらを視認すると俺は一旦バイクを止め、奴を挑発するように叫ぶ。
そして思惑通り、キングダークはこちらの方に進行方向を変えた。
「オォォォォォォ……!!!」
大地を揺らすほどの雄叫びを上げるとキングダークはこちらに向かって歩き出す。
後ろに乗っているローズに奴の誘導を任せると俺は再びハンドルを握りアクセルを吹かし、バイクを走らせた。
「ヒメ!運転を変わる!気合いを入れろよ!?」
「はいですぅ!!」
こちらに向けられたキングダークの殺気を感じつつ、背後にいるローズが奴の注意を引き、俺はバイクの運転に専念する。
ヒメがいくら優れたAIで、オートマチックで運転出来るとしても、やはり運転の精度には限界がある。
しかも先ほど以上のスピードを出す必要があると考えたら、ここからは俺が運転を担当するしかない。
「理緒、振り落とされるなよ!?」
「大丈夫!」
道に乗り捨てられたであろう車を避け、障害物を避けながら郊外の採石場を目指す。
俺の隣には毅さん……アニマルもいる。
アニマルもバイクを吹かして走っているが、俺たちと決定的に違うのは飛び道具を一切持っていないことにある。
元々様々な動物の力を宿した改造人間であり、宿した動物たちの力を最大限発揮させるとなると、必然的に格闘戦に特化した性能となる。
恐らくだが、アニマルには重火器のような武装は搭載されてないだろう。
だから、キングダークの誘導はローズに任せることになる。
「わわっ!勝利くん!後ろ後ろ!」
「……わかってる!」
ローズの言葉に背後を振り向くとキングダークが両腕の指からなにかを放とうとする姿が見えた。
複眼が捉えた映像を拡大してみるとキングダークの指の発射口から見えたのはミサイル。
刹那、指先からミサイルが放たれたのを確認すると、ハンドルを大きく切りミサイルを回避していく。
自分達のすぐ近くで爆発するミサイル。
何故キングダークの姿を直接見ずともミサイルを回避できるのか。
それはミサイルの熱量を頭部の触覚型センサーで感知し、タイミングを合わせて避けている……ただそれだけのこと。
それにミサイルは銃弾と違って発射されてからトップスピードに達するまでにタイムラグがあるからな。
無論俺にそこまでの身体能力やバイクの操作技術があるわけではないので、ミサイルの回避はスーツ内のAI頼みなところもあるのだが。
「理緒!毅さん!
ふたりとも大丈夫か!?怪我とかしてないか!?」
「ボクは大丈夫!」
「俺もだ!」
ミサイルを避けながら、2人の安否を確認する。
アニマルもミサイルをなんとか避けている。
ローズがキングダークへの攻撃を続け、俺たちがキングダークの攻撃を避け続ける。
そうやってキングダークを誘導する中、過去からやってきた毅さんと初めてあった場所へとたどり着いた。
確かあの時もジェネシスコーポレーションの改造人間と戦ったんだっけ。
そして毅さんはアルティメットアニマルで元の世界に帰っていったはず………。
元の世界に帰った能力は確かブラックホールだったか……ワームホールだったか………。
いずれにしても時空の歪みを発生させて、そこに飛び込む形で帰っていったんだよな………。
ん?時空の歪み………?
「あ……そうだ!」
少し時間はかかったが、ようやく作戦が纏まった。
俺の勘が正しいなら、なんとかなるかもしれない。
「「オーケー!」」
《ヴァルツガン!》
《ROSE SHOOTER…….!》
マシンの運転はヒメ……もといカマラーダマーク2のAIに全てを任せることにした。
当然、そうは言ってもマシンから振り落とされないように俺たちも気を付けなくてはならないが、そこはヴァルツのスーツ内のバランサー機能によりハンドルから両手を話しても姿勢を安定させることで対処する。
こうして俺は両手がフリーとなり、エクスライザーを操作。
ヴァルツガンとなったエクスライザーからエネルギー弾を数発、発射する。
そして、俺の後ろではローズが自らの強化された体幹を活かしながら矢を放つ。
無論、これは牽制のためのものだ。
攻撃を浴びせつつ、奴を人気のない場所へと誘導するのだ。
この近くで人気のない場所となると、この間あのレオパルドン擬きと戦った郊外の採石場しかない。
相手もこちらの意図したままに動くとは限らないし、時間もかかるが今はとにかく採石場へと誘導するのが最優先だ。
誘導しつつ、このデカブツを確実に処理する作戦を考える……こんな手くらいしか思い付かない自分の頭の回転の遅さを呪いたくなる。
だが……このデカブツを見て即興で作戦を組み立てて実行し、それを成功させ、確実に奴を始末できる奴なんてまずいないだろうと思う。
俺の知るライダーの中でも戦闘経験を積んだ方である勇騎さんや、将さんすらも流石にそこまでは不可能だろう。
そんな人間離れした芸当が出来るのは、それこそ“あの人”くらいしか………。
こんな時、あの人がいてくれたら………。
「こっちだこっち!」
──いや、今は昔の恩師のことを考えている場合じゃない。
俺やローズの攻撃が当たり、キングダークがこちらを視認すると俺は一旦バイクを止め、奴を挑発するように叫ぶ。
そして思惑通り、キングダークはこちらの方に進行方向を変えた。
「オォォォォォォ……!!!」
大地を揺らすほどの雄叫びを上げるとキングダークはこちらに向かって歩き出す。
後ろに乗っているローズに奴の誘導を任せると俺は再びハンドルを握りアクセルを吹かし、バイクを走らせた。
「ヒメ!運転を変わる!気合いを入れろよ!?」
「はいですぅ!!」
こちらに向けられたキングダークの殺気を感じつつ、背後にいるローズが奴の注意を引き、俺はバイクの運転に専念する。
ヒメがいくら優れたAIで、オートマチックで運転出来るとしても、やはり運転の精度には限界がある。
しかも先ほど以上のスピードを出す必要があると考えたら、ここからは俺が運転を担当するしかない。
「理緒、振り落とされるなよ!?」
「大丈夫!」
道に乗り捨てられたであろう車を避け、障害物を避けながら郊外の採石場を目指す。
俺の隣には毅さん……アニマルもいる。
アニマルもバイクを吹かして走っているが、俺たちと決定的に違うのは飛び道具を一切持っていないことにある。
元々様々な動物の力を宿した改造人間であり、宿した動物たちの力を最大限発揮させるとなると、必然的に格闘戦に特化した性能となる。
恐らくだが、アニマルには重火器のような武装は搭載されてないだろう。
だから、キングダークの誘導はローズに任せることになる。
「わわっ!勝利くん!後ろ後ろ!」
「……わかってる!」
ローズの言葉に背後を振り向くとキングダークが両腕の指からなにかを放とうとする姿が見えた。
複眼が捉えた映像を拡大してみるとキングダークの指の発射口から見えたのはミサイル。
刹那、指先からミサイルが放たれたのを確認すると、ハンドルを大きく切りミサイルを回避していく。
自分達のすぐ近くで爆発するミサイル。
何故キングダークの姿を直接見ずともミサイルを回避できるのか。
それはミサイルの熱量を頭部の触覚型センサーで感知し、タイミングを合わせて避けている……ただそれだけのこと。
それにミサイルは銃弾と違って発射されてからトップスピードに達するまでにタイムラグがあるからな。
無論俺にそこまでの身体能力やバイクの操作技術があるわけではないので、ミサイルの回避はスーツ内のAI頼みなところもあるのだが。
「理緒!毅さん!
ふたりとも大丈夫か!?怪我とかしてないか!?」
「ボクは大丈夫!」
「俺もだ!」
ミサイルを避けながら、2人の安否を確認する。
アニマルもミサイルをなんとか避けている。
ローズがキングダークへの攻撃を続け、俺たちがキングダークの攻撃を避け続ける。
そうやってキングダークを誘導する中、過去からやってきた毅さんと初めてあった場所へとたどり着いた。
確かあの時もジェネシスコーポレーションの改造人間と戦ったんだっけ。
そして毅さんはアルティメットアニマルで元の世界に帰っていったはず………。
元の世界に帰った能力は確かブラックホールだったか……ワームホールだったか………。
いずれにしても時空の歪みを発生させて、そこに飛び込む形で帰っていったんだよな………。
ん?時空の歪み………?
「あ……そうだ!」
少し時間はかかったが、ようやく作戦が纏まった。
俺の勘が正しいなら、なんとかなるかもしれない。