Episode.11 DESPAIR
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「……なんだありゃ」
理緒を乗せバイクを走らせる中、俺たちは眼前に飛び込んできた“ソレ”に驚愕した。
地響きと共に巨大な機械仕掛けの巨人が周囲の建物を破壊している姿が見えたのだ。
さながら怪獣映画さながらの光景が繰り広げられている。
………これじゃあの時と同じじゃないか。
アンゲロスたちが街を蹂躙した血の聖誕祭の時と。
「キングダーク……!ホンモノなんてはじめてみたよ……!」
「キングダーク?」
「先輩ライダーたちと何度も戦った有名な巨大怪人だよ!」
理緒が奴を知っているのは恐らく『テレビ作品としての仮面ライダー』の知識があったからだろう。
改めて考えてみると、俺たちのような『自警団紛いの仮面ライダー』と『テレビ作品の虚構としての仮面ライダー』が同時に存在するなんてエラいことだと思う。
こうして考えてみると、やっぱり東映と共同という形ではあるが、仮面ライダー作品やガンバライジングを提供しているガンバライジング社は謎の多い企業だ。
……今はそんなこと考えてる暇もないか。
俺は改めて『キングダーク』と呼ばれた巨人の方に視線を移した。
40mを超すほどの漆黒のボディに二本の角。深紅の目。
口元には牙……というより仮面ライダーのクラッシャーを思わせるような牙型の武装が見られる。
どうやら体の各部のモールドから、あの巨人は巨大怪人ではなく巨体ロボットと表現する方が正しいようだ。
とにもかくにも、まずはコイツを市街地から追い出さなきゃならない。
そうなるとまた月音……もといディリンクカプセルの出番な訳だが……こうも何回もあの子の力を借りるのも心苦しいし、流石にこの大きさだとディリンクカプセルの力を使って場所を移動するというのも厳しいだろう。
何よりもそれで解決しても、ディリンクの力を使ったことを悟られてしまう。
これじゃ月音との約束も護れない。
うーむ、どうしたものか………。
「どう見てもロボットじゃねぇか……ん?」
ボヤきながら件のキングダークとやらのいる区画へと向かっていると、俺たちに近づいてくるひとりのバイク乗り。
そのバイクを操る男は、俺たちの仲間。
野獣のように豪快な男。
百獣の王の如く気高き戦士。
そしてこういう巨大な敵と戦うのを得意としてそうなライダー(個人的イメージ)。
なんか久しぶりに会ったような気がするが、頼りになる男なのは間違いない。
「久しぶりだな、勝利!」
俺たちの隣に並び立つと、こちらを一瞥する男。
よかった。
理緒も頼りがいがある仲間だが、これで百人力だ。
「最高のタイミングだ……毅さん!」
──桐山毅。仮面ライダーアニマル。
かつて自らも改造人間とされながらも、ジェネシスコーポレーションの改造人間たちと戦い続けた悲しみを背負いし歴戦の勇者。
そして百獣の王の力を宿した仮面ライダー。
「さぁ……いこうぜェ!!」
「「ヒカルかな?」」
「ん?誰だそれ」
「「なんでもない」」
それは仮面ライダーではなくウルトラマンネタ。
……なんてバカなこと言ってる暇もない。
キングダークはもう目と鼻の先だ。
ここからは……気を引き締めていこうか。
「「変身!!」」
「ライダァァァァ………変身っ!!」
《デュアルフュージョン!ヴァルツ!ベーシック!》
《Rose……explosion》
相棒のマシンを走らせ、俺たち3人は変身を遂げる。
これだけの騒ぎだ。
他の仲間もじきに駆けつけるだろう。
それまでの間コイツを街から追放……とまではいかなくとも、足止めはしておかなければ。
こうして……俺たち三人の戦いは始まった。
「……なんだありゃ」
理緒を乗せバイクを走らせる中、俺たちは眼前に飛び込んできた“ソレ”に驚愕した。
地響きと共に巨大な機械仕掛けの巨人が周囲の建物を破壊している姿が見えたのだ。
さながら怪獣映画さながらの光景が繰り広げられている。
………これじゃあの時と同じじゃないか。
アンゲロスたちが街を蹂躙した血の聖誕祭の時と。
「キングダーク……!ホンモノなんてはじめてみたよ……!」
「キングダーク?」
「先輩ライダーたちと何度も戦った有名な巨大怪人だよ!」
理緒が奴を知っているのは恐らく『テレビ作品としての仮面ライダー』の知識があったからだろう。
改めて考えてみると、俺たちのような『自警団紛いの仮面ライダー』と『テレビ作品の虚構としての仮面ライダー』が同時に存在するなんてエラいことだと思う。
こうして考えてみると、やっぱり東映と共同という形ではあるが、仮面ライダー作品やガンバライジングを提供しているガンバライジング社は謎の多い企業だ。
……今はそんなこと考えてる暇もないか。
俺は改めて『キングダーク』と呼ばれた巨人の方に視線を移した。
40mを超すほどの漆黒のボディに二本の角。深紅の目。
口元には牙……というより仮面ライダーのクラッシャーを思わせるような牙型の武装が見られる。
どうやら体の各部のモールドから、あの巨人は巨大怪人ではなく巨体ロボットと表現する方が正しいようだ。
とにもかくにも、まずはコイツを市街地から追い出さなきゃならない。
そうなるとまた月音……もといディリンクカプセルの出番な訳だが……こうも何回もあの子の力を借りるのも心苦しいし、流石にこの大きさだとディリンクカプセルの力を使って場所を移動するというのも厳しいだろう。
何よりもそれで解決しても、ディリンクの力を使ったことを悟られてしまう。
これじゃ月音との約束も護れない。
うーむ、どうしたものか………。
「どう見てもロボットじゃねぇか……ん?」
ボヤきながら件のキングダークとやらのいる区画へと向かっていると、俺たちに近づいてくるひとりのバイク乗り。
そのバイクを操る男は、俺たちの仲間。
野獣のように豪快な男。
百獣の王の如く気高き戦士。
そしてこういう巨大な敵と戦うのを得意としてそうなライダー(個人的イメージ)。
なんか久しぶりに会ったような気がするが、頼りになる男なのは間違いない。
「久しぶりだな、勝利!」
俺たちの隣に並び立つと、こちらを一瞥する男。
よかった。
理緒も頼りがいがある仲間だが、これで百人力だ。
「最高のタイミングだ……毅さん!」
──桐山毅。仮面ライダーアニマル。
かつて自らも改造人間とされながらも、ジェネシスコーポレーションの改造人間たちと戦い続けた悲しみを背負いし歴戦の勇者。
そして百獣の王の力を宿した仮面ライダー。
「さぁ……いこうぜェ!!」
「「ヒカルかな?」」
「ん?誰だそれ」
「「なんでもない」」
それは仮面ライダーではなくウルトラマンネタ。
……なんてバカなこと言ってる暇もない。
キングダークはもう目と鼻の先だ。
ここからは……気を引き締めていこうか。
「「変身!!」」
「ライダァァァァ………変身っ!!」
《デュアルフュージョン!ヴァルツ!ベーシック!》
《Rose……explosion》
相棒のマシンを走らせ、俺たち3人は変身を遂げる。
これだけの騒ぎだ。
他の仲間もじきに駆けつけるだろう。
それまでの間コイツを街から追放……とまではいかなくとも、足止めはしておかなければ。
こうして……俺たち三人の戦いは始まった。