Episode.11 DESPAIR
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「やっぱ、そんなにかかるもんなのかな……?」
2022年8月15日。
夏も半ばに差し掛かった頃。
俺、椿 勝利はは6日ほど前に勇騎さんに預けたコルプスレイザーの修理が進んでいるか気になり、BATTLERにやってきた。
ルーシー曰く『(勇騎さんが)大変な目にあった』らしく、修理も安心して渡せる段階ではないためもう少し待ってほしいとの事だ。
もちろん今はエクスライザーもあるため焦る必要もない。
気長に待つとしようか……
俺はカウンター席に座りボンヤリとテレビを見る。
この時間帯にやっているのはつまらないワイドショー。
最近に話題になった事件をコメンテーターが解説し、専門家気取りのタレントが議論するというものだ。
──何も知らない癖に得意気に語るなよ。
テレビの向こう側で俺がどれだけ叫ぼうがその声は届きはしない。
そんなことは分かってはいるが、あまりに的外れだとつい文句も言いたくなってしまう。
無論そうやってコメンテーターやタレントたちは得意気に持論を金を稼いでいる訳だからやめられるわけもないのだろうが。
『緊急警報放送です。緊急警報放送です』
耳障りな警告音と共にワイドショーが中断され緊急警報放送へと変わった。
「……っ!」
『たった今、日本政府より姫矢市全域を対象に特別非常事態宣言が発令されました。
繰り返します。たった今……』
テレビから発せられるのは電子音声のように淡々と避難を呼び掛けるニュースキャスターの声。
それと同時にテレビの音声すらかき消すように鳴り響く街中のサイレン。
そして、建物を激しく揺さぶる地響き。
……来栖さんが巨大な怪物になって襲ってきたときと同じだ。
怪人たちが跋扈するこの街では、怪人が出現した程度ではここまで大袈裟な避難警報は出ない。
そもそも、怪人たちが表だって行動することの方が稀だからな。
だがこうして特別非常事態宣言が姫矢市を中心に発令されるということは、今回はあの時の巨大エクスキメラ並みに非常に巨大な相手だと考えて差し支えはないはずだ。
「……最悪だ」
結論から言おう。
俺は巨大な相手と戦うのはそこまで得意ではない。
勇騎さんとはじめて一緒に戦った時も苦戦したし、あの鬼畜蜘蛛男の乗るオンボロロボットと戦った時だって毅さんがいたからこそ戦えた。
他のライダー仲間たちも向かっているとは思うが……正直仮面ライダーでは限界があるんじゃないかと思う。
「俺もウルトラマンになりてぇな……ガンダム乗るのもいいな……」
「勝利くん!行くよ!!」
「イヌヌワンッ!」
「オーケー、分かってる!」
同じく特別非常事態宣言を見た理緒、バイク犬のヒメもこちらにやってくる。
……どうやら俺の悩みは杞憂だ。
目の前にこんなに頼もしい仲間がいるじゃないか。
俺はヒメをバイクへと変形させると、理緒を乗せ現場へと向かうのであった。
「やっぱ、そんなにかかるもんなのかな……?」
2022年8月15日。
夏も半ばに差し掛かった頃。
俺、椿 勝利はは6日ほど前に勇騎さんに預けたコルプスレイザーの修理が進んでいるか気になり、BATTLERにやってきた。
ルーシー曰く『(勇騎さんが)大変な目にあった』らしく、修理も安心して渡せる段階ではないためもう少し待ってほしいとの事だ。
もちろん今はエクスライザーもあるため焦る必要もない。
気長に待つとしようか……
俺はカウンター席に座りボンヤリとテレビを見る。
この時間帯にやっているのはつまらないワイドショー。
最近に話題になった事件をコメンテーターが解説し、専門家気取りのタレントが議論するというものだ。
──何も知らない癖に得意気に語るなよ。
テレビの向こう側で俺がどれだけ叫ぼうがその声は届きはしない。
そんなことは分かってはいるが、あまりに的外れだとつい文句も言いたくなってしまう。
無論そうやってコメンテーターやタレントたちは得意気に持論を金を稼いでいる訳だからやめられるわけもないのだろうが。
『緊急警報放送です。緊急警報放送です』
耳障りな警告音と共にワイドショーが中断され緊急警報放送へと変わった。
「……っ!」
『たった今、日本政府より姫矢市全域を対象に特別非常事態宣言が発令されました。
繰り返します。たった今……』
テレビから発せられるのは電子音声のように淡々と避難を呼び掛けるニュースキャスターの声。
それと同時にテレビの音声すらかき消すように鳴り響く街中のサイレン。
そして、建物を激しく揺さぶる地響き。
……来栖さんが巨大な怪物になって襲ってきたときと同じだ。
怪人たちが跋扈するこの街では、怪人が出現した程度ではここまで大袈裟な避難警報は出ない。
そもそも、怪人たちが表だって行動することの方が稀だからな。
だがこうして特別非常事態宣言が姫矢市を中心に発令されるということは、今回はあの時の巨大エクスキメラ並みに非常に巨大な相手だと考えて差し支えはないはずだ。
「……最悪だ」
結論から言おう。
俺は巨大な相手と戦うのはそこまで得意ではない。
勇騎さんとはじめて一緒に戦った時も苦戦したし、あの鬼畜蜘蛛男の乗るオンボロロボットと戦った時だって毅さんがいたからこそ戦えた。
他のライダー仲間たちも向かっているとは思うが……正直仮面ライダーでは限界があるんじゃないかと思う。
「俺もウルトラマンになりてぇな……ガンダム乗るのもいいな……」
「勝利くん!行くよ!!」
「イヌヌワンッ!」
「オーケー、分かってる!」
同じく特別非常事態宣言を見た理緒、バイク犬のヒメもこちらにやってくる。
……どうやら俺の悩みは杞憂だ。
目の前にこんなに頼もしい仲間がいるじゃないか。
俺はヒメをバイクへと変形させると、理緒を乗せ現場へと向かうのであった。