Episode.11 DESPAIR
「君の悪ふざけに付き合う気はない。
他の患者もいるんでね……これ以上用がないならお帰り願おうかな」
他の患者のカルテに目を移し、淡々と言葉を紡ぐカエル顔。
どうやらこちらをナメているらしい。
「きゃっ!?」
僕はガンモードに切りかえたエクスライザーを取り出すと、近場にいた女性看護師の手を引き、拘束すると彼女のこめかみに突きつける。
俗に言う人質というやつだ。
戦闘中ならともかく、こういう交渉になら人質はうってつけだ。
「僕もさ、用があるから来たの。
言うことを聞いて貰おうかな先生………。
──『血の聖誕祭』。
あの時に何が起こったのか。
そして、父さんが……ジニア・ロックディールが何を隠しているか。
あんたの知ってることを全部話せ。
さもないと……」
「ひいっ!?」
女性看護師のこめかみに銃口を押し当てる。
そのままトリガーを引けば女性看護師の頭はガンモードのエクスライザーから放たれたエネルギー弾で木っ端微塵となるだろう。
しかし、カエル顔は全く動じる気配はない。
カルテを静かに机に置くとはぁ……とため息をつくだけ。
しかし………
「やれやれ……。
まさか……自分の息子に躾すらしていなかったとは」
《メディック・ロイミュード!》
「っ!?」
怪人カプセル特有のくぐもったガイダンスボイスが聞こえてきたと思えば、背後から飛んできた何かにエクスライザーをはたきおとされてしまう。
更に、こちらが動揺したその一瞬の隙をつくように人質も回収されてしまう。
視線を向けると先端がメスのような刃物となった細身の触手が、僕の首筋にその刃を突き立てていた。
これは『メディック・ロイミュード』と呼ばれる機械生命体の体の一部だが、どうやら怪人カプセルの能力を発動させたらしい。
まさか、父さんが………とも思ったが違う。
カプセルを起動したのは、あのカエル顔の男だ。
「大丈夫かい?……私は彼を連れて少し外に出る。
君は念のために他のスタッフや患者さんを連れて安全なところへ」
「は、はいっ!」
人質もとい女性看護師に支持を出し、看護師が診察室を出ると、目の前のカエル顔はこちらに向き直った。
カエル顔の背中からはメディック・ロイミュードのものと同等の無数の触手が伸びており、椅子に座ったまま、動かずして背中の触手を操っている。
更には、その右手にはメディック・ロイミュードのカプセルが握られている。
人質は僕の首筋に刃が突き立てられていることをいいことにそそくさと診察室を出ていった。
まさか人質をみすみす逃がすことになろうとは。
僕は怒りを堪えつつ奴の出方を伺うことにした。
「ていうか………なんであんたがそのカプセルを持っているのさ………?
そのカプセルは父さんのものだろ……?」
「それを君に話す理由があるのかな?」
ライダーカプセルや怪人カプセルは元々父さんが作り出したものであり、それを所有するのは基本的にRe:BUILDのメンバーだ。
無論、椿勝利のような例外もいるが。
なんでこの男が……一介の町医者が怪人カプセルを所有している?
それに信じがたいほどにメディック・ロイミュードの力を使いこなしている。
──どうやらここ来たのは当たりらしい。
なんとしても奴の口を割ってやる。
「……っ!」
《Set-Up!チェーンジ!仮面ライダー亡!》
背中の後ろでジュエルドライバーにジュエルを装填すると、真横に飛びながらドライバーを腰にあてがい変身を遂げる。
そして迫り来る触手を両腕の爪で切り落とすと弾き飛ばされたエクスライザーを回収。
触手の迎撃をしながら、カプセルを起動していく。
《アナザーディケイド!》
《アナザージオウ!》
「鎧装!!」
《デュアルフュージョン!キングデストロイヤー!》
そして起動したカプセルを読み込ませると、僕は亡のスーツを突き破るようにしてキングデストロイヤーへと『進化』を遂げた。
右手に時計の針を模した剣を握ると座ったままのカエル顔に切っ先を向けた。
「あまり診療所で暴れて貰っては困るんだがね……。
仕方がない……」
カエル顔がため息をつくと、カエル顔の背後からオーロラカーテンが現れる。
このモノクロのオーロラの壁は潜り抜けることで別の場所へとワープすることが可能なのだ。
どうやらカエル顔もこの場所で戦闘をされるのが困るようだ。
カエル顔は自らオーロラカーテンの向こう側へと消えていった。
………構わないさ。
目の前のカエル顔の男を殺してから後でじっくりと診療所内を探すだけだ。
カエル顔本人に続き、僕も奴が呼び出したオーロラカーテンの中へと突入するのであった。
他の患者もいるんでね……これ以上用がないならお帰り願おうかな」
他の患者のカルテに目を移し、淡々と言葉を紡ぐカエル顔。
どうやらこちらをナメているらしい。
「きゃっ!?」
僕はガンモードに切りかえたエクスライザーを取り出すと、近場にいた女性看護師の手を引き、拘束すると彼女のこめかみに突きつける。
俗に言う人質というやつだ。
戦闘中ならともかく、こういう交渉になら人質はうってつけだ。
「僕もさ、用があるから来たの。
言うことを聞いて貰おうかな先生………。
──『血の聖誕祭』。
あの時に何が起こったのか。
そして、父さんが……ジニア・ロックディールが何を隠しているか。
あんたの知ってることを全部話せ。
さもないと……」
「ひいっ!?」
女性看護師のこめかみに銃口を押し当てる。
そのままトリガーを引けば女性看護師の頭はガンモードのエクスライザーから放たれたエネルギー弾で木っ端微塵となるだろう。
しかし、カエル顔は全く動じる気配はない。
カルテを静かに机に置くとはぁ……とため息をつくだけ。
しかし………
「やれやれ……。
まさか……自分の息子に躾すらしていなかったとは」
《メディック・ロイミュード!》
「っ!?」
怪人カプセル特有のくぐもったガイダンスボイスが聞こえてきたと思えば、背後から飛んできた何かにエクスライザーをはたきおとされてしまう。
更に、こちらが動揺したその一瞬の隙をつくように人質も回収されてしまう。
視線を向けると先端がメスのような刃物となった細身の触手が、僕の首筋にその刃を突き立てていた。
これは『メディック・ロイミュード』と呼ばれる機械生命体の体の一部だが、どうやら怪人カプセルの能力を発動させたらしい。
まさか、父さんが………とも思ったが違う。
カプセルを起動したのは、あのカエル顔の男だ。
「大丈夫かい?……私は彼を連れて少し外に出る。
君は念のために他のスタッフや患者さんを連れて安全なところへ」
「は、はいっ!」
人質もとい女性看護師に支持を出し、看護師が診察室を出ると、目の前のカエル顔はこちらに向き直った。
カエル顔の背中からはメディック・ロイミュードのものと同等の無数の触手が伸びており、椅子に座ったまま、動かずして背中の触手を操っている。
更には、その右手にはメディック・ロイミュードのカプセルが握られている。
人質は僕の首筋に刃が突き立てられていることをいいことにそそくさと診察室を出ていった。
まさか人質をみすみす逃がすことになろうとは。
僕は怒りを堪えつつ奴の出方を伺うことにした。
「ていうか………なんであんたがそのカプセルを持っているのさ………?
そのカプセルは父さんのものだろ……?」
「それを君に話す理由があるのかな?」
ライダーカプセルや怪人カプセルは元々父さんが作り出したものであり、それを所有するのは基本的にRe:BUILDのメンバーだ。
無論、椿勝利のような例外もいるが。
なんでこの男が……一介の町医者が怪人カプセルを所有している?
それに信じがたいほどにメディック・ロイミュードの力を使いこなしている。
──どうやらここ来たのは当たりらしい。
なんとしても奴の口を割ってやる。
「……っ!」
《Set-Up!チェーンジ!仮面ライダー亡!》
背中の後ろでジュエルドライバーにジュエルを装填すると、真横に飛びながらドライバーを腰にあてがい変身を遂げる。
そして迫り来る触手を両腕の爪で切り落とすと弾き飛ばされたエクスライザーを回収。
触手の迎撃をしながら、カプセルを起動していく。
《アナザーディケイド!》
《アナザージオウ!》
「鎧装!!」
《デュアルフュージョン!キングデストロイヤー!》
そして起動したカプセルを読み込ませると、僕は亡のスーツを突き破るようにしてキングデストロイヤーへと『進化』を遂げた。
右手に時計の針を模した剣を握ると座ったままのカエル顔に切っ先を向けた。
「あまり診療所で暴れて貰っては困るんだがね……。
仕方がない……」
カエル顔がため息をつくと、カエル顔の背後からオーロラカーテンが現れる。
このモノクロのオーロラの壁は潜り抜けることで別の場所へとワープすることが可能なのだ。
どうやらカエル顔もこの場所で戦闘をされるのが困るようだ。
カエル顔は自らオーロラカーテンの向こう側へと消えていった。
………構わないさ。
目の前のカエル顔の男を殺してから後でじっくりと診療所内を探すだけだ。
カエル顔本人に続き、僕も奴が呼び出したオーロラカーテンの中へと突入するのであった。