Episode.11 DESPAIR
「ぐっ……!」
ダメージがドライバーの許容量を超えたのか、強制変身解除され元の姿に戻されてしまう。
何度でもいうが本当に理不尽な強さだ。
こっちは自分の持てる能力の全てを出しているはずなのに手も脚も出ない。
ディスペアーメモリを掴む手が無力な自らへの怒りに震える。
「特訓以前の問題だったな。
……教えてやろうか?
お前が弱い理由。
最後の最後でノゾミに勝てないその理由をな」
仮面の下で、はぁ……とため息をつけば、奴は自身のドライバーからジュエルを外し、変身解除してしまう。
「…………」
本当なら今すぐにでも立ち上がって目の前の男を殴り飛ばしたかった。
だが、悔しいが私はこれまでノゾミに勝てたためしがない。
私はディスペアーメモリを握りしめたまま押し黙る。
「その理由はただひとつ。
簡単なことだ。
………お前のその実力はあくまでも『ノゾミが自分の経験と努力で手に入れたもの』の模倣。
結局のところ、オメーのもんじゃねぇからだよ」
「……!?」
──“私の力量が私のものでない”。
冷静に考えてみれば確かにその通りだったのかもしれない。
私はノゾミの“影”として生まれてきた。
そのため“光”であるノゾミと“闇”である私には表裏一体でなおかつお互いの力を共有できる“繋がり”がある。
そのため奴が新たな力を手に入れ強くなる度、私も自動的に強くなっていったのだ。
この世界に来るまでは。
だけど、その“繋がり”もこの世界に来たとと共に絶たれてしまった。
だけど、私は私で自分だけの力を手に入れた。
それがエクシードディスペアーであり、私が“私”を超えるための力なのだがそれもジニアに奪われてしまった。
「私の力が私のものではない……?
ふざけているのかァァァ!!」
《DESPAIR!》
立ち上がると再び私はディスペアーに変身し、ディスペアーサーベルで斬りかかる。
こんな奴にだけは否定されたくない。
私は私として奴を超えるために戦ってきたのだ。
それなのに………
「“力”ってのはな、手に入れただけじゃ意味がねぇんだ」
私の剣戟は変身すらしていないジニアにより簡単にいなされてしまい、私は勢い余って大きく体制を崩してしまう。
「力を手懐けるだけの“心の強さ”と自らのものとして吸収し使いこなすための“経験”。
それらが全て噛み合うことで“力”は“力”となり得るんだ」
それでも尚私は奴に剣をふるい続ける。
戻るべき場所も超えるべき目標も全て失ってしまった。
しかも私の超えるべき目標は目の前の男にあっさりと倒されてしまった。
しかも今は変身すらしていないアイツにこうして弄ばれている。
「ここまで言っても分かんねぇか?
……テメーには圧倒的に『自分だけの経験』が足りてねぇ。
だからどれだけ同じ力を持ってても『自分だけの経験』がお前と比べて圧倒的に多いノゾミに勝てねぇんだよ……!」
「ぐうっ!!」
刀を振り切った僅かな隙を突かれるという形で奴の接近を許してしまう。
直後顎に鋭い一撃が叩き込まれた。
脳が揺れ、視界が真っ白になった。
本当に特訓にすらなってない。
奴の言う通り私は………無力だ。
私が覚えているのはそこまで。
そこから先の、少しの間の出来事は覚えていない。
こうして……私の意識は途絶えるのであった。
ダメージがドライバーの許容量を超えたのか、強制変身解除され元の姿に戻されてしまう。
何度でもいうが本当に理不尽な強さだ。
こっちは自分の持てる能力の全てを出しているはずなのに手も脚も出ない。
ディスペアーメモリを掴む手が無力な自らへの怒りに震える。
「特訓以前の問題だったな。
……教えてやろうか?
お前が弱い理由。
最後の最後でノゾミに勝てないその理由をな」
仮面の下で、はぁ……とため息をつけば、奴は自身のドライバーからジュエルを外し、変身解除してしまう。
「…………」
本当なら今すぐにでも立ち上がって目の前の男を殴り飛ばしたかった。
だが、悔しいが私はこれまでノゾミに勝てたためしがない。
私はディスペアーメモリを握りしめたまま押し黙る。
「その理由はただひとつ。
簡単なことだ。
………お前のその実力はあくまでも『ノゾミが自分の経験と努力で手に入れたもの』の模倣。
結局のところ、オメーのもんじゃねぇからだよ」
「……!?」
──“私の力量が私のものでない”。
冷静に考えてみれば確かにその通りだったのかもしれない。
私はノゾミの“影”として生まれてきた。
そのため“光”であるノゾミと“闇”である私には表裏一体でなおかつお互いの力を共有できる“繋がり”がある。
そのため奴が新たな力を手に入れ強くなる度、私も自動的に強くなっていったのだ。
この世界に来るまでは。
だけど、その“繋がり”もこの世界に来たとと共に絶たれてしまった。
だけど、私は私で自分だけの力を手に入れた。
それがエクシードディスペアーであり、私が“私”を超えるための力なのだがそれもジニアに奪われてしまった。
「私の力が私のものではない……?
ふざけているのかァァァ!!」
《DESPAIR!》
立ち上がると再び私はディスペアーに変身し、ディスペアーサーベルで斬りかかる。
こんな奴にだけは否定されたくない。
私は私として奴を超えるために戦ってきたのだ。
それなのに………
「“力”ってのはな、手に入れただけじゃ意味がねぇんだ」
私の剣戟は変身すらしていないジニアにより簡単にいなされてしまい、私は勢い余って大きく体制を崩してしまう。
「力を手懐けるだけの“心の強さ”と自らのものとして吸収し使いこなすための“経験”。
それらが全て噛み合うことで“力”は“力”となり得るんだ」
それでも尚私は奴に剣をふるい続ける。
戻るべき場所も超えるべき目標も全て失ってしまった。
しかも私の超えるべき目標は目の前の男にあっさりと倒されてしまった。
しかも今は変身すらしていないアイツにこうして弄ばれている。
「ここまで言っても分かんねぇか?
……テメーには圧倒的に『自分だけの経験』が足りてねぇ。
だからどれだけ同じ力を持ってても『自分だけの経験』がお前と比べて圧倒的に多いノゾミに勝てねぇんだよ……!」
「ぐうっ!!」
刀を振り切った僅かな隙を突かれるという形で奴の接近を許してしまう。
直後顎に鋭い一撃が叩き込まれた。
脳が揺れ、視界が真っ白になった。
本当に特訓にすらなってない。
奴の言う通り私は………無力だ。
私が覚えているのはそこまで。
そこから先の、少しの間の出来事は覚えていない。
こうして……私の意識は途絶えるのであった。